二百二十六話目 報告会の終わりと…
10月28日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
その後も、各々が聞いてきた、もしくは調べてきた事の報告会は続いた。
が、大体が裕翔さんが聞いてきた話と似たり寄ったりだったので、はしょ…。もとい、割愛して違うところだけまとめてみる事にした。
「元チョセーン国の中にはまだ魔族が彷徨いてはいるが、軍隊。と言う様な見た目の奴等はいなかったそうだ」
これは、宇美彦が実際にチョセーン国の様子を見に行った人から聞いてきた話。
魔族達は焼け焦げた街の中にうじゃうじゃいたそうだけど、どうやらそれは魔族の商人や町人っぽくて、軍やその関係者の類いっぽい魔族は見つけられなかったのだそうだ。
その人も、普段は商人に化けてあちこち歩いては情報収集を行っている、いわばスパイ。だからこそ、軍関係者が化けた姿だとすれば、すぐに見分けられるんだって。
これは余談だけど、この人は僕を一目で男の子だと気づいてくれた貴重な人でもあります。
今まで生きてきて、両手で指折り数えられるくらいしかいない、貴重な人なので、是非とも後身の育成にも力を入れて欲しい人材です!
「俺はこんなとこだな。他に目ぼしい情報は教えてもらえなかったよ」
「まだ昨日の今日ですからね?国側もそこまで詳しい情報は得られていないでしょう」
そう言って報告を終えた宇美彦に、月島さんがそう言いながら労いの言葉をかける。
何だかあれから長い事経ったみたいな雰囲気醸し出しているけど、確かに魔王軍側にちょっかいだされてから2日。情報を集めだしたのだって昨日の夜からだもんね?
そんなに簡単に情報が集められるなら、情報にわざわざ【戦】何てつける国はいなくなるよってなもんで、他のクランメンバー達も総動員した情報収集はまだまだ続きそうだ。
「じゃあそろそろお昼ご飯にしましょうか?」
「おっ!もうそんな時間か?」
「何だかんだ、もう5時間も経っていたんですねぇ?」
僕の言葉を合図に、宇美彦や月島さん他、そこに集まっていたメンバーがザワザワと騒ぎ始めた。
珍しく真面目な話なんかしてるもんだから、お昼の時間を過ぎた事も気がつかなかったみたいだね?
ちらりと壁掛け時計を見れば、もう12時なんかとっくに過ぎていて、後少しで13時になるところだった。
こりゃ、お腹もすく訳だよね?
「朝のうちに準備しておきましたから、温めればすぐに食べられますけどどうしま…」
「僕3人前で宜しく!!」
「俺は5人前!!!」
……僕まだ何を作ったのか言ってないんだけどなぁ。
まぁ、いつもの事だから良いか。僕の料理の腕を信頼してくれているものだと思おう。
と、言う事で、
「はいはい」
と、僕は2人に生返事を返しつつ、食堂へ向けて足を踏み出した。
んだけど、その時……。
《コンコンコン》
アジトの扉が小さくノックされたのだった。
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