二百十八話目 不吉な報せ
10月19日の更新です。
今回、微グロ表現がほんのりではありますがございますので、苦手な方は予めご注意下さい。
本日も宜しくお願い致します
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《side:シエロ》
その報せは、前回魔王軍が攻めてくる!と騒いだ時よりも、より神妙に、より深刻なものだった。
今は情報を兎に角仕入れる時だ。と言う王様のお考えの下、周りの街や国に人が派遣されたらしいんだけど…。
「えっ!?チョセーン国がですか?」
「あぁ。チョセーン国へ向かった人からの情報だから間違いないぜ?チョセーン国は跡形も無く焼け落ちていたそうだ。しかも、魔族どもがうじゃうじゃいたらしい」
情報を持ってきてくれたのは、ルドルフのお兄さんのエルドレッドさんだ。いつもの様に頭をツンツンに立たせながらやって来た。
まぁ、今日は非番らしくて、着ている服は町人。って感じの、麻の服だったけどね?
って、今はそれどころじゃないよ!
「チョセーン国が…。エルドレッド君、その、全部焼け落ちていた。って言ったけど、生存者がどうなってるか。とかは分かりませんか?」
「はい、勇者様。生存者がいる確率は限りなく低いだろう。との事でした。何せ王族の死体が見せしめの様に国の入り口に晒されていたそうですから…」
「そっか…」
一緒にエルドレッドさんの話を聞いていた裕翔さんが、一言呟いた後に黙り込む。
確か、あの国はとんでもない国だけど、軍の隊長さんだけは常識人で、他の国との対立や外交問題になりそうな火の粉を、1人で必死に振り払っているのがその人だ。って言うのは聞いた事がある。
裕翔さんも、あの人がいるからあの国を見捨てられないんだ。って、よく言ってたっけ。
でも、王族がそれじゃあ、軍の隊長さんは…。
「どうやら、先の魔族の襲撃も、チョセーン国へ攻め込む為の布石のではないか。って言うのが、専らの噂になっています」
エルドレッドさんが続ける。
なるほど、道理で襲ってきた魔族が少ないばかりか、従えてる魔物が弱いやつばかりだと思ったよ。
何て納得しつつ、まだ裏に何かがありそうで、胸の辺りがチリチリするのを感じていた。
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その夜。裕翔さんは月島さんと共に、城へと向かった。もっと正確な情報を仕入れる為だ。
宇美彦と葵君も、それぞれ情報収集へと出掛けて行き、他のメンバーも出掛けて行った為、アジトは空になった。
そして、僕と亜栖実さんはーー。
「「ん?おっ!シエロ君じゃん!亜栖実ちゃんも、元気だった?」」
「こんばんは、カイン先生」
「こんばんは~」
理事長先生の下を訪ねていた。
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もこの時間に更新出来ると思いますので、また宜しくお願い致します