二百十六話目 事の顛末
10月17日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
「エリザベート様、どうか頭をあげて下さい」
「そうですよ。そんなの誰にも分かりはしなかったんですから、それを言ったら皆同罪です!」
裕翔さんと亜栖実さんが、慌てた様子でお祖母様を宥めている。声は出さなかったけど、宇美彦と月島さん、葵君も一緒だ。
それを王様と宰相様が微笑ましそうに眺めていた。
え?僕?何か出遅れちゃったので、皆をボーっと見てました☆
「さぁ、エリザベート殿。勇者達もこう申している事だ。どうか、頭をあげて下さりませんか?」
「はい。ありがとうございます、陛下。勇者様も、皆さまも、ありがとうございます」
王様に促され、お祖母様はゆっくりと頭をあげて微笑んだ。
「ではエリザベート様、報告の続きをお願いできますか?」
「はい。と、申しましても、後は宰相様もご存知の通りで、企みを知った私は、知り合いの方達にお願いして、四方の門で魔族と現れた魔物と戦ってもらっただけですわ」
「それだけではなかろう?キッチリ魔族を追い詰め、捕縛役も担ってくれたではありませぬかーー」
そう言って語りだした王様によると、お祖母様は、それぞれの門へ援軍…。とはいかない人数だった様だけれど、助っ人を呼んだそうだ。
まさか、たまたま遊びに来ていた。って言う、うちの兄さんまで駆り出されているとは知らなかったけど、一番驚いたのはやっぱり理事長先生かな?
襲撃前から門の前を陣取って、襲われる前に殲滅しちゃったんだ。って言うから、開いた口が塞がらないよね?いや、本当。
そして、一連の騒ぎの犯人を捕まえたお祖母様は、その魔族に
「その姿を借りた青年をどうしたのですか?」
と、聞いたのだそうだ。
すると魔族は、体を縛られながらグニャリと顔を歪ませて笑い、
「殺したよ?姿を取り込むには殺さなけりゃ、性格や仕草のコピーが出来ないからな?」
と、軽い口調で、当たり前の事の様に笑いながら話したそうだ。
お祖母様は、
「そう…」
とだけ呟くと、その魔族が他の兵隊に連行されて行く様を、どこか虚ろな目でジッと見つめていた。
と、王様が教えてくれた。この戦闘で亡くなったのは、彼、ただ1人だったそうだ。
ーーー
ーー
「まぁ、俺が知っているのはこのくらいだな。あっ、一応捕らえた魔族達は地下牢に閉じ込めてあるが、危ないから近付くんじゃないぞ?どうしてもってんなら、俺から許可をもぎ取って行きなさい!」
「何で僕の方を見て言うんですか!?」
「お前が一番やらかしそうだからに決まってるだろう!」
何故か僕の前に仁王立ちしながら宣言する王様についつい噛みついてしまった僕なのでした。
あっ!すっごい嬉しそう。僕やらかしたかも??
暗くなりそうだったので、王様にふざけて頂きましたww
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もこの時間に更新致しますのでよろしくお願いいたします