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二百十二話目 王の部屋にて


10月13日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「シエロ!ようやく会えたな?小父さんは寂しかったんだぞ?シエロ、会いたかったー!!」


「は~な~れ~て~く~だ~さ~い~!!」



 であえ皆の者!王がご乱心だぞー!!!


 と、叫びたくなる気持ちを必死に抑え、僕は抱きしめてくる王様を引き剥がそうと躍起になっていた。


 しかし、王様は気にする事も無く、更には頬擦りまでしてくる始末。いや本当、マジで止めて欲しい!うっすら生えている髭が滅茶苦茶痛い!!


 髭をする時間も無かったのか。と、少し心配する気持ちもわいたけど、でもやっぱり…。



「王様、痛いですってば!」


「少しくらい良いではないか。減るわけじゃなし」


「精神的な何かはガリガリ削れますから!!」



 普通なら不敬罪になりそうなこんなフランクな会話も、此処が王様の部屋だからこそ許される。


 だから王様も会議室や応接間じゃなくて、自由に話せる自分の部屋を指定したんだろうけど…。



 でもさ、部屋に入るなりこれだよ?流石におかしくない。


 他のメンバーは、突然の事過ぎて裕翔さんも含めて、まだ再起動もろくに果たせていない。


 って言うか、宰相様が扉をノックして開けた筈なのに、何でピンポイントで葵君の後ろに隠れていた僕を見つけ出して、更に抱き抱えてんの!?え?何か魔法でも使われた?


 ってくらいの鮮やかな手腕に、少し感心すらしそうだわ!!お姫様抱っこも今なら許せそう…な訳あるかーー!!



「陛下、そろそろシエロをお離し下さい。勇者達が困惑しております」


 離せ!嫌だ!の攻防戦を一通りやった辺りで、宰相様が止めに入ってきた。もっと早く止めれ!と思う半面、非常にありがたい。



「む。そうか?仕方ないな」


 おっ、王様が宰相様の言う事を素直に聞いているのも相変わらずか。


 小さい頃、王様の乳飲み兄弟でもある父さんに連れられて、何度かここへは来た事があったけど、10年以上経った今でもその関係性は変わっていないらしい。


 王様は、渋々。と言った様子ながら、やっと僕を離してくれた。は~。苦しかった。



「そうですよ陛下。最近は私共でさえ、シエロちゃんを抱きしめて頬擦り。何てしておりませんよ?」


「む?そうなのか?」


「えぇ」


 サラッと混ざってきたのは我がお祖母様だ。


 【元】とは言え、宮廷魔術師の室長がこの部屋に呼ばれる事はあるだろうし、何よりもお祖母様は王様の乳母だから、居たっておかしいところは無い。


 無いので、【なっ、なんでお祖母様がここにいらっしゃるのですか!?】なんてベタな事は言わないぞ!


 って言うか王様のせいでドッと疲れたから、突っ込みは他の人達にお任せしたい。


「こんなに可愛いのにハグも出来ないとは、エリ様もお辛いでしょうな?」


「えぇ、もっと昔の様におばあちゃん、おばあちゃん。って来てほしいものなのですけどねぇ?」


 そんな会話をしながら、王様とお祖母様は僕の方をチラチラ見てくる。


 いや、昔からあんたらにそこまで甘えた記憶はねぇから!


 僕は叫ぶ元気すらないまま、心の中でそう叫んだ。


 いや、何かマジで疲れた…。



王様ご乱心ww

シエロが登城を幾度も無く断り続けていた理由をやっと出せました(* ̄ー ̄)


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も18時頃に更新致しますので、またお読み頂ければ幸いです


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