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閑話 シャドとナルカミ②


9月25日の更新です。

本日も宜しくお願い致します。


2019年4月20日 誤字修正致しました



 こんにちは。風の精霊の風華(ふうか)です。



 突然ではありますが、最近我が家に新しい弟が増えました。


 新しい弟は、見た目は大きなトカゲちゃんなんだけど、どことなくぬいぐるみみたいな子です。


 体は細いわりに、足は太い…と言うか、ガッシリしていると言うか、ちょっとぽっちゃりしていて、お顔も全体のバランスをみるとやや大きめ。


 私のマスター的に言わせると、ゆるきゃら?っぽい見た目をしているらしいのです。


 初めてみる派手な黄色の肌に、クリックリの赤みがかったオレンジ色のお目目。


 は虫類なのに瞳の中までまん丸で、創造主の好みがモロに反映されている感じが、さらにゆるきゃら感を醸し出しているのでしょう。


 で、そんな可愛らしい弟は今、



『きょうはね?あしゅみとおんもへいったよ?』


『しょっか!たのしかった?』


『うん!あのにぇ?まどぉぐのおみしぇ。ってとこぉにいったの!』


『まどうぐ?あ~。あしゅみしゃんはまどうぐみるのがすきだものね?でもまどうぐなら、シエロにたのめば、ここでもいろいろみりゃれるのよ?』


『ほんと!みたいみたい!!』



 さっきからあんな感じで、同じ様に6年前、我が家にやってきた妹。闇の精霊シャドと一緒に、楽しそ~うにお喋りしています。


 2人がお喋りしている場所は、マスターが大体の時間を過ごしている食堂の隅っこ。窓際に置かれた、観葉植物の前の2人掛け用テーブルが彼女達の定位置です。


 因みにマスターは今、今晩の夕食のお買い物に出掛けているので、今はいません。……ムフ。この光景を見逃したと知ったら、きっと後で血の涙流して残念がるでしょうね?



『ふふふ♪あとでたのんであげりゅからね?』


『やったー!』



 あ~。マスターじゃないけど、妹が背伸びして、一生懸命おねえさんしてるのを見るのは和むわね~♪


 癒される。って言うのは、こう言う事を指す言葉なんだわ。きっと。


 と、


《キィ》


 何て軽い音をたてながら、食堂の木製の扉が開きました。


 自然と釣られる様に、妹達と私の視線はそちらへ向かいます。



「ん?何だ皆、ここさ居っただな?」


「あら、実里(みのり)。お帰りなさい」


 見られていた事に少し驚いた顔をしてはいましたが、独特な訛り言葉でニカリっと此方へ笑いかけながら、食堂の中へ入ってきたのは実里でした。


 マスターお手製の、焦げ茶色のワンピースを着て、更に上に枯れ草色のカーディガンを羽織った彼女も、私と同じく精霊なんです。


 彼女は土の精霊なんですよ?


 ふふふ。ご存知でしたよね?



『みのりねえしゃま!おかえりなさい!!』


『みにょりしゃん、おかえりなしゃい!!』


「ただいま~♪ほら、2人さお土産だぞ~?仲良ぐ分けて食べっせ~」


『『わ~い♪』』


「2人とも、お夕飯もあるんだから、あんまり食べすぎたら駄目よ~?」


『『は~い!』』



 仲良く並んで手を挙げながら良いお返事を返してくれる2人。


 ふふふ。マスターからしたら、私のこの姿も【お姉ちゃんしてる】姿に見えるのかしら。


 何て事を考えながら、私は実里と顔を見合せて笑ったのでした。



◇◆◇《オマケ》◆◇◆



「おや?亜栖実、可愛らしい耳飾りですね?」


「耳飾り…。誠治、せめてイヤリングって言ってくれないかな?」


 亜栖実は、耳飾り。もとい。イヤリングに触れながら、誠治に抗議した。


 誠治は自分が何を怒られているのか、いまいち理解していなかったが、とりあえず


「すいません。僕はどうにもオシャレに疎くて…」


 と、謝った。


「まぁ、誠治だしね?ところで今日は遅かったね?何かあった?」


「いえ。ただ、あの子達のお世話に手間取ってしまっただけですよ?ふふ。亜栖実も来れば良かったのに」


「いや、有り難い申し出だけど、僕はパスさせてもらうよ」


 あっさり断られた事に、おや、それは残念。と、誠治は一応肩をすくめるが、亜栖実に断られるのはいつもの事なので、誠治はそれほど気にしていない。



「亜栖実は猫やトカゲなら大丈夫なんでしたっけ?」


「うん。平気。昔野犬に追いかけ回されてから、どうにも大型の犬系の獣は苦手でね? 」


「ふふふ。彼等はそんな事はしませんよ?」


「分かってるよ?だって君の使い魔神獣だもん。でもさぁ、やっぱり怖いものは怖いんだよぉ」


 珍しく泣き言を言う亜栖実。


「彼等がもう少し小さくなれれば良いんですけどねぇ?」


「うぅ。たぶんそれでも無理」


 おやおや。と苦笑する誠治には、まだシエロが仲間入りする前から、共に戦う仲間がいる


 仲間の名はナギとナミと言い、フェンリル。と言う神獣の兄妹だ。


 昔、魔族に襲われ傷付いた彼等を助けた事が縁で、誠治の使い魔となった。


 まだ年若い彼等だが、既に全長が3メートル程ある為、アジトの庭では目立ち過ぎる。との国王の計らいで、彼等は城の庭で、馬車や騎馬用に飼われている、馬達の隣に間借りさせてもらって、生活していた。


 誠治が行けない日は、城の兵士が代わりに世話をしてくれるので、安心して任せられるし、意外と人懐っこい彼等にとっても、安心して暮らせる場所になっているそうだ。



「可愛いのに」


「ごめんね?でも無理!」


 亜栖実もいつか、あの子達の可愛らしさに気がついてくれれば良いのにな。


 そう思いながら、無理無理!と騒ぐ亜栖実に、また苦笑するしか無い誠治なのだった。




昨日に引き続き、シャドとナルカミがわちゃわちゃしているのを見て癒される他の面々。なお話しと、オマケとして、何故女神達は誠治に何も贈らなかったのか。なお話しをお送りさせて頂きました。

元々使い魔がいたから何ですね~?彼等の詳しいお話しはまた別な閑話、もしくは本編で出来たら良いな。と思っております♪


さて、本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

これにて閑話はおしまいとなりまして、次話から新章開始。となるのですが、その前に、いつもの様に1週間お休みさせて頂きたいと思います。


次話、次章の始まりは、10月2日、火曜日からの更新となりますので、また宜しくお願い致します。


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