表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/293

百九十九話目 雷蜥蜴


9月22日の更新です。

本日も宜しくお願い致します




「か」


『か?』


「可愛い~♪」


『かぁい?』


「喋った!?」



 一瞬動きが止まった亜栖実さんは、次の瞬間に再起動を果たし、そのままの勢いで蜥蜴を抱き上げた。


 って言うか、それよりその子、今喋らなかったか!?


「あぁ、今までが大人しかっただけで、あの方達の元に居た時は随分とおしゃべりでしたよ?緊張していたんじゃありませんかね?」


「いつも冷静な君が大好きだよ…」


「光栄の極みに御座います」


 まぁ、女神達のところから来たんだから、喋るくらいするか。


 と、自分を無理矢理納得させた僕は、改めて、料理の仕上げをしながら、コローレに問いかけた。



「で?コローレ、あの生き物って、結局何なの?妖精とも精霊とも違うみたいだけど?むしろ、もっと力強いと言うか、下手したら土地神レベルで強そう。ってくらい、内包する魔力量がヤバそうなんですけど…」


「えぇっと、ですね?」


 何だよ?はっきりしないなぁ?


 そう思っていると、コローレさんは蜥蜴と戯れる亜栖実さんをチラッと見た後で、僕にコッソリと耳打ちをしてきた。


 よっぽど面倒な事になっているらしい。


「実はですね?あれは自分もちっちゃい妖精と戯れたい!と研究を重ねていらしたブロナー様。ではなく、その研究自体を羨んだシルビアーナ様がお作りになられたものでして…」


 おぅ、またややこしい事になってる。とか思いつつも、


「えっ?シルビアーナが作ったの?じゃあ、あの黄色はもしかして…」


 と、何とか小声でコローレに返事をしながら、僕も蜥蜴に視線を移す。


 オレンジ色の大きな目は、亜栖実さんに撫でられて、嬉しそうに閉じられているから見えないけど、鮮やかな黄色い肌はよく見えた。


 ……あれ?よく見ると、時折パリパリと、小さく放電している様な?



「仰せの通り、雷。で御座います。あの蜥蜴は【雷の化身】とも言える生き物なので御座いますよ。何せ、あの身体を形取るほぼ全てが雷そのものなのですから…」


「あっ、じゃあやっぱりあれ、放電してんの?」


「御意」


 確かにシルビアーナが司る属性の中には雷があったけど、何でわざわざ危ない方にしたんだよ…。


 これなら、まだ光属性の方が安全じゃあ…。


《スマン。光の子は透明になってしまってな…。どうせなら可愛い子供の方を君達に託したかったのだ…》



 ……急に当人の声が聞こえた気がしたが、まぁ親心って事で、目を瞑る事にした。


 取り合えず、亜栖実さんを呼んでその蜥蜴についても説明しなくちゃね?ご飯も出来たし…。



「亜栖実さーん。ご飯出来ましたよ?」


「はーい!食べる食べるー!!」


『たべぅ~♪』



「はいはい。今出しますからね~」


 ……あれ?蜥蜴って何食べるんだっけ?



本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ