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百九十五話目 解決しない問題


9月18日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「シエロ君にさ、僕らの武器や防具に妖精さんが入ってくれないか聞いてもらう。って話になってたのを、思い出したんだよ!」


「あ~。そんな話してたっけね?」


 何だか大分昔の様な気がして、思わず遠い目をしていたら、似た様な虚な目で、先に裕翔さんが答えてくれていた。


 そう言えば、そもそもはそんな話だったんだよね?うんうん。



 あれ?何で話題がずれたんだっけ?


 あっ、そうだ!妖精の話になって、2人の武器を検分したら裕翔さんの剣に何かいる!ってなって…。


 けどそれが何なのか正体が分からなくて、そこへ丁度コローレが帰ってきたから、話をしてみたら、何故か元の持ち主に聞けば良いじゃん?みたいなノリになって、理事長先生に会いに行く事になったんだ。



 って言うか、あれ?そのコローレは何処行ったんだろ?たしか、学校から出るまではいたよね?


 ん~?お腹の中にもいないっぽいし、お祖母様や爺さんに会いたくないからってバックレたに違いない。きっとそうだ。奴ならやりかねん。



「で?シエロ君。さっきはうやむやになっちゃったけど、武器や防具に妖精を封じ込める事なんて、本当に出来る事なのかい?」


 おっと、1人で納得してる場合じゃなかったね?


「はい。正確には封じ込めるのではなくて、その妖精と契約して装備品に【宿って】もらう。って感じになると思いますが、たぶん出来ると思いますよ?」


 僕は少しの訂正も含めながら、裕翔さんに肯定の返事を返した。


「そっか。契約…」


「妖精と、契約するおつもりなのですか?」


 裕翔さんが【契約】と呟くと、今までニコニコしていたお祖母様が、不意に口を挟んできた。


 お祖母様は家族といる時以外は、あまり会話に混ざってきてくれないので、結構珍しい。


 まぁ、話しかけたり会話を振れば普通に話してくれるから、それが貴族としての作法なのだろう。とは思うんだけどね?


 え?知らないのかって?


 僕は次男だし、上2人が優秀だからね?


 小さな頃からそんなのあんまり気にせず、遊んで暮らさせてもらってますよ。はい。



「契約するのはいけない事なのでしょうか?」


「いえ、契約する事がいけないのではないのですよ?良い力の子なら、それも良い事だ。と、存じますわ?ただーーー」


 お祖母様が言いよどむ。プルんと艶やかな唇に触れながら、思案している様だ。


 たぶん。お祖母様は、()()の事で悩んでいるのだろう。



「ただ、なんでしょう?」


 すると今度は、亜栖実さんが待ちきれない様子で、答えを急かす様に問いかける。


 貴方は少し落ち着いて下さい。お祖母様が困ってますよ?


 ……はぁ。仕方ない。



「お祖母様、妖精には実体が無い。と言う事でお悩みなのですね?」


 僕が口を開くと、お祖母様は


「えぇ」


 と頷きながら、先を話してくれた。はいはい。亜栖実さんは少しお祖母様から離れましょうね?元の位置に戻ってください?


「妖精は、シエロちゃんも知っての通り実体が無く、この世界の中でも弱い存在です。精霊の様に強い力の存在が実体を持ち、初めて力を力として公使出来るのです。ですから、その辺りをたゆたう子らを武器や防具に封じ込めたとしても…」


「上手く力を発揮する事は出来ず、下手をすればその武器や防具に宿る力を使って、暴走してしまうかもしれない。ですね?」


 また言いよどんでしまったお祖母様の言葉の続きを話すと、裕翔さんはおろか、さっきまで騒ぎたいだけ騒いでいた亜栖実さんまで黙り込んでしまった。


 続きを話した僕も、お祖母様の話を聞いていて自分達の計画の甘さが痛い程分かり、皆と同じ様に口をつぐんだ。


 お祖母様も皆の様子を見ながら黙ったままなので、結局部屋の中がシンッと静まりかえってしまった。


 いや、でも本当にどうしたらいいもんかね?この空気も、妖精の問題も。って感じだよ!


 


珍しくシリアス。まぁ、長くはもたないのがこの物語なのですが…w


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もいつもと同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します


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