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百九十四話 思い出した亜栖実


9月17日の更新です。


閑話の部分もありますので、正確にはまだなのですが、お蔭様で200話到達致しました!!

これもひとえに、この様なグダグダな物語にお付き合い下さっている、心の広い皆々様のお蔭です。

本当にありがとうございます!


さて、まだもう少し、彼らの物語は続きますので、最後までお付き合い頂ければ幸いで御座います。

最後まで気を抜かずに精進して参りますので、どうぞ宜しくお願い致します


2018年9月17日 お豚汁子





◇◆◇◆◇◆


《side:シエロ》


 僕が貝になっている間に、お祖母様が早めのアフタヌーンティーの用意をして下さっていた。


 とは言えここは異世界。


 アフタヌーンティーと言っても、3段重ねのケーキスタンド的な物は無く、普通にお洒落な大皿に、野菜や肉等数種類のサンドイッチ、クッキー、それと、一口サイズのタルトやロールケーキと言った軽食類が、それぞれ盛りつけてある。


 飲み物も紅茶やお茶の類いだけではなくて、人によってはお酒があったり薬湯があったりと、結構自由だ。



 さて、今日のサンドイッチは、キュウリに似た野菜が挟まった軽いものから、レタスと焼いたチキンにソースを絡めたものが挟まっているガッツリしたものまで揃っていて、スイーツ系のものは、僕がコツコツこの家の料理長に教えてきたものに、料理長のアレンジが加えられた品々がズラッと並んでいる。


 特にこの一口サイズのロールケーキ何かは、中のクリーム以外にも外側のスポンジケーキの味や色もクリームに合わせて変えてあるので、季節のジャムがのったタルトと並ぶと、グッとテーブルが華やかになるね。


 窓から差し込む、穏やかな日差しがタルトの上にのせられたジャムをキラキラと輝かせて、宝石みたいだ。


 うん。可愛いし綺麗だし、いつまでも見てられるよ♪




《モッモッモッ》


《グビグビグビ》



 ………さて、そろそろ現実逃避は止めるとして…。



 皆で和気あいあいと楽しく午後のお茶を楽しんでいる中、1人だけやけに大人しい人がいた。


 亜栖実さんだ。


 元から結構大人げない人ではあるけど、剣さんが喋りだしてから、ずっとあんな感じになってしまった。


 だから、また【ズルい!】何て騒ぎ始めるのだろうか?


 と、僕と裕翔さんはお茶をしながらも、戦々恐々としていたんだ。



《ちらっ》


 そうして暫く経った頃、裕翔さんの目が亜栖実さんの方へと動いた。


 その時。



「あーっ!思い出した!!」


《ガタッ!》


 亜栖実さんが大声を出しながら、いきなり座っていたソファーから立ち上がった。



《《ビクーーッ!!》》


 そして、急に亜栖実さんが大きな声を出すから、僕と裕翔さんは飛び上がらんばかりに驚いて……いや、裕翔さんは本当に飛び上がってソファーから転げ落ちた。


 しかしお祖母様は変わらず、優雅に紅茶で唇を湿らせながら、ニコニコしている。さっ、流石です。お祖母様。


 裕翔さんの場合は亜栖実さんの真横に座っていた。って言うのもあるけど、真ん前に座っていて全く動じないお祖母様はやっぱり凄いね?



《『何や何や急にでっっっかい声出してからに?わいの可愛い心臓が止まるかと思ったやないかい』》


「剣さん!僕思い出したんだよ!!」


《『だ・か・ら、なにがやねん!っちゅーねん!?』》


 亜栖実さんが剣さん(本体)に向かって、嬉しそうに話しかける。


 亜栖実さん、剣さんなら今貴方の目の前でプンプン怒ってますが…。あっ、見えないか……。


 それに、


 剣さんの心臓って何処だよ!?


 って、いつもの亜栖実さんならここで絶対つっこんでいる筈だし、剣さんに話しかけられたら裕翔さんから眼鏡を奪いとるくらいはする筈なので、よっぽど舞い上がっているらしい。


 って言うか、裕翔さん、剣さんの本体をソファーに立て掛けておいて良かったですね?


 振動で少しずれはしましたが、貴方と一緒に落ちずに済みましたよ?


 と言うアイコンタクトを送ると、


《うん、俺もそう思うよ》


 とソファーによじ登っていた裕翔さんから返ってきたので、僕はヘヘッ。っと苦笑って更なる返事としたら、同じタイミングで裕翔さんも似たように笑っていた。


 亜栖実さんからうけた苦労の痕が、裕翔さんから哀愁として滲み出ていて、僕は少し彼を見ながら泣いた。




相変わらず騒がしい亜栖実で御座いましたww


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日も18時頃に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します


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