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百九十二話目 剣の妖精②


9月15日の更新です。

本日も宜しくお願い致します


◇◆◇◆◇◆


《side:裕翔》


「シエロ君から借りてきましたよ?」


 シエロ君から借りてきた物を、たぶん彼から見えるであろう位置で、ジャーン!とおどけながら掲げてみる。


 すると剣は、


《『へぇ~。それがわいらの姿を視られるっちゅー魔道具かいな?』》


 何て言いながら、眼鏡の前の辺りをふよふよとホバリング?していた。



 消えちゃう!何て一時は焦ったものの、結局剣の光が消える事は無かったんだ。


 まぁ消えはしなくても、もんの凄く薄~くはなったんだけどね?


 それでも俺の目が治っても彼が消えなかった事は凄く嬉しかったし、何だか剣を近くに感じられて嬉しかった。


 いや、まぁ、正確には消える訳じゃなくて、俺の目じゃ見えなくなる。ってだけ何だけど、ね?


 あ~。シエロ君が羨ましい!


 彼等の姿を、眼鏡何か通さずともずっと見ていられるんだもん!良いよね?まぁ、亜栖実みたいにズルいズルいなんて恥ずかしい事は言わないけど、さ。



《『ユート、早くかけてみ?』》


「あっ、そうですよね?じゃあ、早速…」


 剣に促され、眼鏡をかけ…ようとした。正にその時だった。



「裕翔!」


「うわぁ!?」


 噂をすれば、ナンとやら?で、亜栖実が後ろから背中に飛び乗ってきたんだ…。


 何をしてんだ、こいつは!?


 とか思いながらも、何とか踏ん張る。


 少したたらを踏んだものの、転ぶ事は回避出来た。眼鏡も、壁に立て掛けておいた剣も勿論、無事だ。


「何すんだよ!?」


「裕翔ばっかりズルい!」


「は?」


 一瞬何を言われているのか分からなかったが、ズルいズルいと騒ぐ亜栖実は、どうやら俺だけ剣の姿を見る気なのがズルいと言っている様だ。


 だから、


「お前もシエロ君に眼鏡を借りてくれば良いだろ?」


 と、半ば呆れ気味に返せば、


「借りたって見られないもん!剣さんの姿が見られるのは、裕翔だけだもん!だから、ズルい!!」


 亜栖実から返ってきたのは、そんな更なる文句だった。


「はぁ?」


 思わず疑問の声が漏れる。


 いかん。ますます分からなくなってきたぞ?


 俺が頭を抱えていると、剣は亜栖実の周りを飛びながら、はっは~ん?何て、声をあげた。


 ……はっは~ん。何てベタな事を言う人?久しぶりに見たな。



《『ユート、やかましで!』》


「はいっ!?」


 えっ?今、声に出てた?


《『嬢ちゃん、あの性悪にからかわれたな?わいの姿やったら、妖精の姿が見える奴だけ。って制約はあってもな?誰かて見られるで?』》


「本当に??」


《『正直者のわいが、わざわざそんなしょうもない嘘つくかいな?ほれ、あっこの性悪女の横におる坊主に聞いてみ?』》


「分かった。ちょっと聞いてくるよ」


 そう言ってシエロ君の下へ戻っていった亜栖実を見ながら、俺は薄く光りながらたゆたう剣をガン見していた。


 今、剣って、俺の思考…って言うか、心読んだ?


 えっ??



問題は亜栖実ですよね~?どうしよっかな?ww


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた18時頃の更新となりますので、宜しくお願い致します


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