百八十九話目 似た者○○
9月12日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
コポポ。と変な音をたてながら紫色のシャボン玉が小さくなっていく。
えっ?えっ?と怯える裕翔を尻目に、スーっとシャボン玉が消える。
消えると同時に姿を現した剣さんは、見た目的には、別に変わった様には見えない。んだけど…?
《『ぐぅ。』》
「「寝たー!?」」
また、僕と裕翔の声がハモる。
「うわっ?」
裕翔の声に、良く剣を見れば、太刀魚みたいに綺麗だった刀身がグニャリと曲がり、ぐぅぐぅと呼吸するのに合わせて上下に動き始めた。
裕翔が悲鳴をあげたくなるのも分かる気がする…。
これは絶対僕でもあげてた。
《パチンッ》
「ん?」
《パンッ!》
「うわっ!?」
《『なんやっ!?』》
指を鳴らす様な音がした。と思ったら、剣さんの上半分を包む様な光が現れて、すぐに弾けた。
「あ。起きた…」
《『なんや?わい、どうなったんや?』》
当の本人、ん?本剣?まぁいいや、剣さんにも何が起きたか分からなかったらしい。
一体誰がーー。と振り返る間も無く、
「やりました。お祖母様!僕にも出来ました!」
と喜んでいるシエロ君が目に入った。
お前か~。
とか思う反面、まぁシエロ君しかいないよな~。とも思う。
「亜栖実さん、裕翔さん!これで僕も覚えたので、もう大丈夫です!」
「そっか~」
何が大丈夫なんだ?と言う言葉を飲み込みながら、シエロ君の頭を撫でる。
いつ触ってもサラッサラの彼の髪の毛は、撫でると凄く気持ちが良く、癖になる触り心地をしているんだ。あ~。癒される。
まぁ、急に癒されたくなった原因作ったのも彼だけど…。
◇◆◇◆◇◆
《side:裕翔》
「今のはどうやったの?」
「簡単です。状態異常を治す時みたいに、軽いショックを与えただけですよ」
「なるほど。それなら僕にも出来そうだ。今のは光魔法の衝撃?」
「いえ、ただの光よです。目眩ましにしか使えない魔法ですが、誰かを起こすには最適みたいですね?」
「あ~。光よか~。なるほどね~」
目潰しされた俺を尻目に、亜栖実とシエロ君は楽しそうに魔法談義を始めた。
……もう一度言おう。
目潰し、された、俺!
キャッキャウフフしている2人には悪いけど、あんな至近距離で、しかも刀身に乱反射する様な状況の中ストロボ並の強い光を炸裂されたら、剣さんは元より、俺に一番被害がくるのは、子供だって分かるだろう。
第一、これ。上手くいったから良い様なものの、剣には目が無いのに良く実行しようと思ったよね!?
……俺、よくぞ剣を落とさなかった!エライ!!って、自分を褒めてあげたいよ。
《『あ~。ビックリした』》
当の剣自体はビックリした程度で済んだらしく、ビックリしたわ~。なんて繰り返してる。
俺は世界の全てが真っ白に染まっている中で、後でどう2人を怒ってやろうかと考えながら、遠くや近くを交互に見ていた。
あれ?こうやったら眩んだ目が治るんじゃなかったっけ?
まぁ、良いや。
そんな風に俺は剣の辺りをぼんやり見ていたんだ。
そしたら、
「あれ?」
《『ん?なんやユート、もしかしてわいの事見えてるんとちがう?へ~。珍しいなぁ?』》
剣の周りをふよふよしている光が話しかけてきた。
亜栖実とシエロ、お祖母様とシエロはそれぞれ似た者同士。という事でww
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