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百八十八話 おしゃべりな剣


9月11日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



◇◆◇◆◇◆


《side:亜栖実》



《『自分、ユートやんな?』》


「はっ、はい!」


《『なに気張ってんねん?肩の力抜きや?肩凝るで?』》


「はっ、はい!」


《『……』》



 ……駄目だこりゃ。


 おしゃべりさんが黙っちゃったらもう駄目だ。


 いきなり剣さんを手渡されて、困った顔をしながら固まる裕翔に、おしゃべりなはずの剣さんまで黙りこんでしまったよ。


 いや、裕翔よ。こっちを見られても困るさ。


 ん~。かといって、頼みの綱のシエロ君は何かお祖母さんと話し込んでいるから頼れないしなぁ。


 もう!今日は楽できる~。とか思ったのにー!


 ……はぁ。仕方ないか。



「剣さん。寝起きの気分は如何だい?」


《『ん?おぉ。確かアスミいうたな?まぁ、寝起きは最悪やけど、あの性悪がやる事や。まぁ、良い方やろ』》


「性悪?」



 あのお祖母さんに【性悪】って言葉はあんまりにも似合わない気がして、思わず首を傾げてしまった。


 そしたら。


《『性悪や。性悪!あいつは性悪魔女やで?今のも見たやろ!?あんな御大層な事やっとって、実際は魔力の塊でガツーン!としばかれただけやで?』》


 と、返された。


「えっと、しばかれた。と言うのは?」


 漸く復活した裕翔が、恐る恐るって感じで問いかけている。


 いや。何をこいつはビビってるんだろうね?しっかりしてくれよ、リーダー!って感じだよ。全く。


『《ん?おぉ、やっとまともな会話が出来たな?ユート!んで?何やった?あぁ!せやせや、しばかれた~っちゅう話しやったな?あんな?自分らダンジョン知っとるやんな?》』


「えっ?あっ、はい。何度かこもってレベル上げに行きましたから。取り敢えずは…」


『《そやろ?寝とっても中から見てたさかいな?大体の事は分かるで?ほしたら、ダンジョン内のトラップで、状態異常起こすやつがあるっちゅうのも知っとるやんな?》』


「はい。大丈夫です」



 裕翔がしっかりと頷く。


 剣さんが言っているのは、ダンジョン内にある宝箱なんかに設置されてる一般的なトラップの話で、そこそこレベルが高い冒険者でも無効系のスキル持ちじゃない限り、しっかり状態異常になっちゃう。って言う、結構厄介なやつだね。


 トラップ。ってより呪いだ!って言われてるくらいだから、その威力たるやなんとやらって感じだよ。


 確か、解除するには…。



「解除するには、脳。つまり頭部に衝撃を与える。んでしたよね?」


 そうそう。それそれ!


《『せや!まぁ、簡単に言うと、頭をしばけ!っちゅーこっちゃな?で、さっきの話しに戻るけどな?あの魔女はそれやらかしよったんや。つまり、わいの頭バチコーン!ってしばいたんやわ』》


「「え?」」


 思わず裕翔とハモる。


《『せやから、あの女のかけた魔法は、呪い(まじない)やのうで、殆ど呪い(のろい)やった。ちゅーこっちゃ。んで、その呪い解くのんは、面倒なもんやから、力業で無理くり解きよったんや。全く。やられる方はたまったもんやないで?ほんっっっっまに性悪やわ、あのおん!?』》



 恐らく、【女】と続けたかったのだろうけど、剣さんは最後まで言葉を放つことが出来ないまま終わった。何故なら。


《グォワワン》


「うわっ!?」


 紫色の毒々しいシャボン玉みたいなのが、剣さん全体を覆う。


 それでいて裕翔が持っている部分にまでは及んでいない、その泡の出現元は…。


「あらいやだ。私とした事が、手が滑ってしまいましたわ?オホホホホ」


 にこやかに笑う、お祖母さんだった。



お茶目なお祖母様ですね?www


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた18時頃に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します


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