百八十一話目 何故か学園へ
9月4日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
「コロさん。ここ、ですか?」
「えぇ。此方にいらっしゃいますよ?」
裕翔さんが疑問の声を上げるのも無理は無い。僕達は、見慣れた門の前に立っていた。門の中では、子供達が駆け回る姿も見える。時間的にはもう放課後だからね?うんうん。楽しそうだ。
さて、石造りの武骨な感じを受けるこの門は、僕が6年前まで通っていた、聖ホルド学園の正門。
おかしいとは思ったんだ。だって、
《「では参りましょうか?」》
って言いながら、スタスタと歩き出すから。え?歩いて行ける場所?何て思いながら着いていったら、此所へ着いた。
行き先も知らずにノコノコ着いていく僕らも大概だけど、まぁ、そこら辺はコローレを信じているから。って事で!
「でもさ、何で学園?僕、ここに先代様がいる何て話、聞いたこと無いよ?」
「えぇ。ある意味学園の最大機密ですからね?普通、生徒に教える内容ではありませんから」
「は~。それもそっか…」
なるほどなぁ。と、感心していると、門の中、奥の方から、
「すいません。お待たせしました!」
と、ランスロット先生が此方へ向けて、走ってくる姿が目に入った。
裕翔さんと亜栖実さんの視線が、ランスロット先生を経由して、コローレに移る。
「事前にランスロットへ連絡しておきました。いや~。歩いている内に相手方に連絡が通るのですから、良い時代になったものです♪」
コローレはご満悦そうに、ランスロット先生へ手を振って返した。
あ。慣れない事するから、ランスロット先生顔がひきつってるぞ?
ーーーーー
ーーー
「いやぁ~。良く来てくれたな?」
「フフフ。此処に客人等、久方ぶりじゃのう?」
今、僕の目の前には、明るい茶髪に青い目の青年と、殆ど白に近い金髪に黒い瞳の少女が、革張りのソファーに腰かけている。
青年の方は、動きやすそうな焦げ茶色の上下の服の上から、赤い革鎧を身に付けていて、少女の方は魔女魔女した真っ黒なワンピースの上から、真っ黒なローブを纏っている。
青年の服が、何の飾り気も無いシンプルな作りなのに対し、少女の方はローブの裾や袖口、更に中のワンピースの襟ぐり部分に精緻な刺繍が施されていたり、前開きローブの縁に同色のレースがあしらわれていたりと、華やかだ。
まぁ。細工の全部が黒いから、あんまり目立たないんだけどね?
さて、話を戻して。今、僕の目の前に居るお2人は、この学園の理事長先生なのです。
青年がカイン・ライトン先生。
少女はアナスタシア・ミラージュ先生。
年の差が10はありそうはお2人だけど、意外にも同い年なんだそうだ。人は見た目に寄らないのです。
「どうした?まぁ、寛いでくれよ」
「そうじゃそうじゃ。まぁ、少し居心地は悪いかもしれぬが、我等は中々この場から動かれんでの?許せ?」
「ありがとう、ございます」
裕翔さん、さっきのランスロット先生並みに笑顔がひきつってますよ?
まぁ、裕翔さんの気持ちも分からなくはないか…。
別に、彼は理事長先生方が先代の勇者様だから、とか、理事長先生だから。何て理由で顔をひきつらせているだけでは無いんだ。
いや、まぁ、そんな理由でひきつらせてるのもあるんだろうけど、とりあえず、問題は、今、僕らがいる場所にある。
僕らは今、職員室前に飾られた、古くて大きな鏡の中に居た。
理事長降臨!
あまりに久しぶり過ぎて、彼等の設定を忘れてましたww
さて、本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日も通常通りに更新させて頂きますので、宜しくお願い致します




