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百七十七話目 試してみよう!


8月31日、野菜の日の更新です。

野菜食べなきゃ!!ww


本日も宜しくお願い致します



《side:宇美彦》


「うわっ!?うぉおわわわっ!!」


 俺の前には今、何も無い。


 あるのは、と言うか見えるのは、何処までも真っ青な空だけで、下に目線を送ると、今度は緑一色。


 つまり、森が広がっている。


 端的に言うと、俺は今、空を飛んでいた。


 天駆ける靴の効果で飛んでいる訳なんだが、意外とこいつで飛ぶのはバランス感覚がいるらしい。


 さっきから、転ばない様にするのだけで精一杯だ。



「宇美彦~。大丈夫?」


「なんっ、とかな?」


 初めては危ないよ?と、ついてきてくれた亜栖実が俺の横を並走してくれている。


 他の奴等は()にいて、俺が何かやらかした時のバックアップをしてくれる事になっていた。



《「宇美彦、あんまり行きすぎると海に出てしまうから、その辺りでUターンした方が良いよ?」》


 ほらな?通信が入った。俺の耳には、宙太が作ったインカムが入っていて、それを使って下から指示が来る事になっているんだ。


 …にしても、Uターンしろってか?


 ソラの奴。無茶言うよな~。



「なんとかやって、みるが、落ちたら悪い」


《「オーライ。落ちたらしっかり亜栖実さんか僕が受け止めるから、やるだけやってみ?」》


 インカム越しの宙太に了解。とだけ返して、俺は亜栖実にUターンする事を伝えた。


 うっしゃっ!やってみっか!!



ーーーーーー

ーーーー


◇◆◇◆◇◆


《side:シエロ》


「どうだった?空を飛ぶ感じって?」


「ん?まぁ、気持ちよかったぜ?まだバランスが上手い事とれないけどな?特にUターンの時は要練習。って、感じだな?」


 ちょっとお疲れ気味の宇美彦に、温かいハーブティーを手渡しながら感想を聞くと、そんな答えが返ってきた。


 はぁ。地面落ち着くわ~。


 何てぼやいている宇美彦は、さっきUターンに失敗して空からまっ逆さまに落ちかけたんだ。


 まぁ、天駆ける靴さんがブーストかけてくれたお蔭で、実際には落ちなかったんだけどね?それでも空から少し落ちた宇美彦の心中はお察しな訳で…。


「しかし、あそこでブーストかけるとは…。うん。やっぱり自分の意思を持ってる装備品ってズルいよね?宇美彦ズルッてなってさ?あっ、ヤバイ!って思ったら、靴が勝手に体制戻してくれるんだよ?ズルくない?」


「なに興奮してんだよお前は!いや、まぁ。本気で助かったけどな?だったら、最初から俺、座ったままでも飛べたんじゃね?」


「いや、それは駄目っしょ?あんたそれで飛び方覚えたら、戦う時も座ったままになるよ?折角防御力に加えて機動力も手に入れたんだから、最大限活用しなきゃ嘘だよ?」


 熱く語る亜栖実さんに、宇美彦はややヒキながら、そんなもんか?何て返している。


 でも、僕も亜栖実さんの意見には賛成かな?


 宇美彦は、僕が魔法と剣術を合わせた万能型なのに対して、防御特化型って感じで、ゲームで言うところの【盾役】。しかも、それでいて一発の破壊力も高い、【戦士】職だ。


 ただし、宇美彦は機動力がほぼ無くて、今までは宇美彦がひたすら敵の攻撃を受けて、その隙をついて僕らが攻撃を加えたり、陽動している内に、そーっと近づいた宇美彦が、重い一撃を!って感じで戦っていた。


 だから、今回宇美彦に機動力が加わるのは本当にありがたい事なんだ。


 だからこそ、宇美彦には頑張ってもらいたいんだけど…。


「そうならそうと言えよな?……でもよ?それなら、最初からあんな高い所で練習する事無くないか?低い所から徐々にでも…」


「どうせなら、最初に高い所で度胸つけた方が良いかな?って思ったんだよ。ほら、僕が初めて空飛ぶ練習したのって、女神様達がいる月の上だったじゃない?」


「う~ん。確かにそれは、ある、のか?」


 いやいや、僕に振られても困るから。


 僕は、意外とスパルタ式な亜栖実さんに学生時代鍛えられてるし、爺さんにも死ぬ一歩手前くらいまでの追い込まれ方で鍛えられてるから気にもしてなかったけど、どうやら宇美彦のこの困り顔を見るに、高高度からの飛行訓練は危ないものだったらしい。


 はっ!?僕の高所恐怖症が酷くなったのって、もしかしてアレのせいだったのか??




作者はローラースケートすら滑れませんww

たぶん空を飛んだ時の宇美彦みたいになることうけあいですwww


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します


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