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百七十六話目 契約、成立?


8月30日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「ソラ、大丈夫か?」


「うっ、うん。何とかね?杖さんの魔力伝達速度が速くて助かったよ」


 攻撃をかわされて凹んだのか、急に大人しくなってしまった靴の様子を伺っていると、宇美彦が心配そうに、僕の顔を覗き込んで来たので、心配ないと返しながら、杖さんの柄の部分を優しく撫でる。


 正直、本当に杖さんのお蔭で助かった。


 流石は勇者様の杖。って事なのだろう。魔力を杖に流した後の処理速度が恐ろしく速いんだもん。


 たぶん。僕だけでは魔法の行使が間に合わなかったと思う。危なかった。



「はぁ。ビックリした」


 でも、まだドキドキしてるや。急に攻撃されるなんて、久しぶりだ。ちょっとその手の事への感覚が鈍っていたのかもしれない。反省、反省。



「いやいやいや、ビックリしたのはこっちだからね?いきなり部屋の中でドンパチはマジ勘弁でしょ?」


「全くだ」


 思わず吐き出したため息に、裕翔さんと葵君が反応する。


 いや、確かに部屋の中でドンパチ始めちゃったのは申し訳無かったけど、今回に関しては不可抗力な訳で…ゴニョゴニョ。


「フフ。靴よ?今のは人間でいう、【突っ込み】と言うやつじゃ。あの様なじゃれあいに、一々反応していては、ウミヒコから嫌われてしまうぞ?」


《!》


「そうだぜ?しかもお前が攻撃したのは、ウミヒコ殿の親友だぞ?あ~。こりゃ、普通に嫌われたかな~?」


《!!!》



 ゴニョゴニョしていると、にやけ顔のママとリコレさんが、いつの間にか靴さんをからかって遊んでいた。本当に懲りない人達だ。


 しかし、そんなママとリコレさんの言葉に反応したのか、靴さんはシュルシュルと小さなつむじ風をいくつも生み出している。魔力の流れがグニャグニャで、不安定になってる事から、どうやら混乱してるらしい。と言う事が分かった。


 ……意外と真面目さん?


 僕の杖さんも、最近は結構感情豊かになっているけど、靴さんは見ていて飽きないタイプの真面目な靴の様だ。


 とは言えーーー


「ママ、リコレさん!あんまり靴さんをからかっちゃ駄目ですよ?あれくらいで宇美彦がどうこう何てある訳無いし、第一今のは僕が悪いでしょ?怪我もして無いし、僕は気にしてませんよ」


「そうですね。今のは完全こいつが悪いです。わざわざ跳躍してまで俺をひっぱたく必要はありませんから」


 宇美彦が僕の頭をポンポンと叩きながら笑う。


 むっ!いくら僕の背が低いからって、ジャンプしなくても、お前の頭くらい叩けるやい!


 ちょっとムッとした僕は、靴さんに気付かれない様にしながら、こっそり宇美彦の脛をつねった。


「いっ!?」


「ん?どうかした?」


「このやろ…。後で覚えてろよ?」


 聞こえませーん。


「はぁ。すいません、お二方、場所、変わってもらえますか?」


「ん?良いぞ?」


「良いぜ?」


 ため息を吐きながら、宇美彦が徐にママ達と場所を変わる。


 すとん。と腰を屈めて、テーブルに置かれた靴さんと、自分の目線を合わせた。


 ……言ってて思ったけど、靴さんの目線って何処?


 まぁ、そんな事どうでも良いか。


 宇美彦と靴さんは、暫く見つめあった後、


「なぁ、俺なんか気に入ってくれて、ありがとな?お前にその気があるんなら、俺と一緒に行かないか?」


 と、宇美彦が呟いた。


《シュルシュル、シュルル》


 そして、それに応える様に、靴さんが生み出した風が、宇美彦の髪の毛をふわりとかきあげた。



リコレとヒバチは、新たなオモチャを手に入れた!


《チャラララ、ラ、ララ~ン♪》



本日も、此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も通常通りに更新致しますので、宜しくお願い致します

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