百七十話目 ママが襲来した理由
8月24日の更新です。
本日も宜しくお願い致します。
新章スタートです!
「ママ?どうして此処に?」
入り口の扉を開けていた筈なのに、いつの間にかママの膝の上に座っていた僕は、まぁいつもの事か。と、半ば諦めながらママに向かって問いかけた。
ママにだっこされている状態だから、この角度からだとどうしても上目遣いみたいになっちゃうんだけど、ママ曰く、それが堪らないらしい。……って、なんのこっちゃ!?
「ん?おぉ、そうじゃったそうじゃった!リコレの奴が君達と接触し、更にナデシコの所へ行った。と聞いたのでな?ならば、妾の下にあるナツヒコの装備も入り用になるじゃろうと、思って持って来たのじゃ」
「「「「「はぁっっ!?」」」」」
相変わらずの爆弾発言に、思わずその場に居た全員で叫んじゃったけど、僕らは悪くないと思う。
って言うか、ここのところの超展開のせいで、頭がついていけない。って言うか、疲れてて頭が上手くまわりゃしないよ。
あぁ、大きな声が響いたよなぁ?またお隣に謝りに行かなきゃなぁ…。
グッタリな僕は、考えるのを放棄した。
かったけど、そう言う訳にもいかず、
「えっと、どう言う意味ですか?」
すっかりフリーズしてしまった、リコレさん以外の面々の代わりに、ママに再度問いかけてみる。
あぁっ!何で裕翔さん達誰もいないの!!
「ん?何じゃ?あやつから聞いとらんかったか?妾もナツヒコから防具を預かっておったのじゃぞ?」
「いえ、何も…」
「まぁ、聞かれなかったし、今回怪力女んとこ行ったのも偶々だったしな?」
あいつ。とママに指を指されたリコレさんは、首を竦めながら答えた。
まぁ、確かに鬼神族の村へ行く。としかリコレさんには伝えていなかった訳だし、鬼神族の村はあそこ以外にもアチコチにあるらしいから、リコレさんも、まさかその村にナデシコさんが居るとは思わなかったんだそうだ。そもそも僕も知らなかったしね?
涼しい顔をしていた様に見えたけど、実際は内心凄いビックリしていたんだってさ。
「何じゃ、偶々だったのか?じゃあ、防具の件も偶々か?んフフ。何やら運命の糸を感じるのう?偶々行った村にナデシコが居って、偶々一緒に行った者が、偶々ナツヒコの盾に好かれた。んフフ。面白いではないか♪」
ママは凄く楽しそうだ。僕を抱きしめる力が、少し強くなる。
ママは顎を僕の頭に乗せている為、僕からママの顔は見えないけど、抱きしめる腕や体も少し熱くなって来ているから、これは相当喜んでいる証し。だと思う。
昔からそうだから、たぶん、あってると思うよ?うん。
「では…」
ママは、楽しそうに声を弾ませながら、では、で一度一呼吸置いた後に、
「偶々今日居合わせた中にも、妾が此処へ持って来たナツヒコの防具に気に入られる輩が現れるやも知れぬなぁ?」
と、言いながら、アハハと、僕を更に抱きしめながら笑った。
慣れてるけど、僕はいつまでママのぬいぐるみ状態でいれば良いのだろうか?
僕は、未だ固まる皆の顔を、ママの膝の上で見ながら、そんな事を考えていた。
え?他人事だな?って?
僕には既に杖さんが居るからね?
2つ以上持つのは、彼ら?彼女ら?同士で喧嘩しちゃうって話を聞いてるし、そりゃ他人事にもなろうさ。
だから、僕は今。防具の新しい持ち主探しよりも、今夜の晩御飯の心配しかしてません!!
今日は何人分作れば良いんだろう?う~ん。何作ろうね?
抱き枕。ぬいぐるみ。まぁ、シエロの扱いなんてこんなもんですww
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もまた同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します




