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百六十四話目 新しい契約者?


8月13日の更新です。

本日も宜しくお願い致します!



 高かったお日様が、大分西の方へと傾くまで、リコレさんへのお説教は続いた。


 細かく説明すると、それこそ真夜中になってしまうので割愛するけど、リコレさんと、更にそこへ途中からフジさんも加わった事により、ナデシコさんにも飛び火してお説教大会が始まってしまったんだ。


 僕達は端から見ていただけなんだけど、あまりに凄すぎて、思わずアサギ君と抱き合って震えちゃったくらいだ。とだけお伝えしておきます。


 そして、そんな風に2人がかりで、2人の族長さんを徹底的に凹ました結果……。





「うわっ!このお魚美味しいねぇ?塩加減が絶妙だよ!!」


「それはようござった。シエロ殿は料理の腕も一流シェフが舌を巻く程の腕前でござる故、内心ドキドキしておりましたが、お気に召したならば良かったでござるよ」


「え~?それは流石に褒めすぎでしょ?そんなに褒めても、何も出ないよ?」


「やべぇ~。全部うめぇ~!」


「やべ?うめ?マモル、うまい。は分かるが、【やべ】とは何だ?」



 お夕食を頂いていました☆


 フジさんがいつの間にか手配してくれていて、2人へのお説教を見ているだけで、疲れてグッタリしていた僕達を見かねたフジさんが、誘い出してくれたんだ。


 1人1人に配膳された四角いお膳には、お赤飯に良く似た、餅米を蒸かしたご飯と、根菜とお肉を一緒に似た、筑前煮風の煮物。


 そして、菜っぱの汁物と、沢庵に似た漬け物が乗っていて、メインには大振りの、鮎にそっくりな魚の塩焼きがドーンと一匹、お膳の中央上部に鎮座ましましていた。


 どれも美味しいけど、特にこの鮎にそっくりな魚の塩焼きが絶品で、カリカリの皮と、ふっくらした中の身が堪らなく美味しいんだ。


 噛んでいると、じゅわ~。って魚の身から脂が染み出してきて、ん~。美味い!!



「アサギ君、このお魚は何て名前のお魚なの?」


 って言うか、まんま鮎だよね?この魚。


 何て考えながら、隣で一緒にご飯を食べているアサギ君に問いかける。


 アサギ君は、


「この魚は、アーニュと申す魚にござる。綺麗な川の上流に住んでおって、川底の苔を好んで食べて育つ故、魚にしては、ちと青臭いのが特徴にござるな」


 と、一口魚をかじりながら教えてくれた。


 骨ごといったらしく、バリバリと口の中で骨を砕く音が聞こえる。


 ハガジョウブダネェ?



「えっと、鮎?」


「いえ、アーニュでござるよ、シエロ殿。アーニュ」


「アーニュ?」


「そうでござる」


 何か、思った以上に鮎寄りな名前だったな…。


 鮎って名前が、時を経て訛ったんだったら面白いのになぁ~。



 ……って、違う違う!


 あんまりお食事が美味しいもんだから、すっかり頭から飛んでいたけど、【精霊の盾】の話だったんだよね?


「ところでリコレさん。さっきの確認の結果は?」


「お前、ここで蒸し返すか?」


 リコレさんがチラチラと、ランスロット先生の方を伺いながら返事をしてくれた。


 大丈夫。ランスロット先生、フジさんと呑んでて、今お説教どころじゃないから。


 あっ、お説教大会組も、さっき漸く合流して、仲良く一緒にご飯を食べてるんだ。


 リコレさんとナデシコさんは兎も角、ランスロット先生は半分やけ酒にも見えるかもしれない。ってくらい、お酒をグビグビ呑んでいる。


 日本酒っぽい見た目だから、口当たりが良い。ってだけかもしれないけど、それにしたって盃を空けるペースが早い気がする。



「気になったので、で?」


 まぁ、フジさんがついていてくれてるから大丈夫だろう。と言う事で、ランスロット先生から視線を戻して、リコレさんに続きを促してみた。


 すると、


「はぁ。結果的に、マモルの方が好かれてる。って感じかな?アサギ君は冷たく感じたそうだから、少なくともアサギ君よりはマモルの方が好かれてるみたいだぜ?ナデシコはどう思う?」


 と、返ってきて、更にリコレさんの隣で呑んでいたナデシコさんにも話を振った。


 モグモグしていたナデシコさんは、急に話を振られて、慌てて口の中の物を飲み下しながら口を開く。


 ってか、今。何で口の中の物を流し込んだ?



「ん?そうじゃのう?悔しいが、私もマモルだと思うぞぃ?どれ、それなら一つ、盾に聞いてみるかの?」


 ナデシコさんはそう言って、また何処からか精霊の盾を取り出した。


 ナデシコさんは、薄い盾を優しく2~3度撫でてから、何かブツブツと呟いている。


 きっと、【盾に聞いてみる】って言うのを実践してくれているのだとは思うんだけど、僕は、ナデシコさんの隣に置かれた、【魔王殺し】と書かれた一升瓶が気になって、いまいち集中出来なかった。




ナデシコが呑んでいた【魔王殺し】は、アルコール度数が80度を超える、ちょっとヤバめのお酒です。

火も吹けるかも?



本日も、此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

さて、次の更新なのですが、お盆期間でバタバタしてしまうので、誠に勝手ながら18日までお休みさせて頂きます。

休んでばかりで本当に申し訳無いのですが、19日からまた更新させて頂く予定ですので、またお暇潰しにでも、お読み頂ければ幸いです。


2018年8月13日 お豚汁子

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