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百五十八話目 鬼神村の結界について


8月7日の更新です。

本日も宜しくお願い致します!





「なるほどのぅ?では、そなた達は、私がこの村に張り巡らせた結界について。の、話を聞きに来たのじゃな?」


「結界の事。って言うか、魔力の遮断法についてって感じかな?君んとこのアサギ君が困ってたぜ?まぁ、俺も興味あるしな?」



 リコレさんが説明役を買って出てくれた為、急に話が進み出した。


 って言っても、流石に僕もポケーっと見ていた訳じゃないよ?


 リコレさんに補足したりとか、ランスロット先生とかの話しにちょいちょい口は挟んでたからね?本当だよ?ウソじゃないよ?



「遮断法のう…?はて?結界を里全域に張り巡らせはしたが、魔力等遮断してはおらぬぞ?」


「え?」


「どういう事ッスか?なぁアサギ君、確かにこの村と連絡つかなかったんだよな?」


「そうでござる。一瞬は繋がるのでござるが、すぐに切れてしまっていたでござるよ」


「あっ、里の内側から通信を試みた場合もそんな感じでした。繋がっては切れる。と言った感じで」


 ナデシコさんの衝撃の発言に、静かだった部屋の中が俄に騒がしい物へと変わる。


 庭の木々や岩にとまって鳴いていた鳥達が、僕らの騒がしさに驚いて、一斉に飛び立っていった。



「当主様、では何故、拙者や拙者の家族は連絡出来なかったのでござりましょうか?もしや、また魔族が…?」


 身を乗り出すようにしてアサギ君がナデシコさんに問い詰める。


 さっきまでの遠慮…。と言うか、畏れ多くて一歩引いた様な感じは無くなっていて、今にもナデシコさんに掴みかかりそうになるのを必死に押さえている。って感じに見えた。



「あぁ。何じゃその事か。それならそうと、はよう言わぬか。結界ならまだしも、魔力の遮断何ぞと言いよるから、分からなんだぞ?」


「何かお気づきの点があるのでござるか?」


「うむ。簡単な事じゃ」


 真剣な顔のアサギ君に、明らかに年下の子供然としたナデシコさんが、見た目に似合わないニヤリ顔で笑う。


 あっ、何かスッゲー悪い顔。



「そっ、それは一体、何でござりましょうか?」


「ゴクッ」


 僕の隣で葵君が唾を飲み下す。


 何となく皆の耳目を集めたところで、勿体ぶったナデシコさんがまたま意地悪く笑いながら口を開いた。



「そなた達が連絡してきたところを見計らってちょいと邪魔しただけじゃ?」


「は?」


 アサギ君の目が点になる。


「だってお主、学園に入るからとこの里を出て行ってから此方、一度も里へ帰って来てはくれぬではないか。私も娘も寂しくてのぅ。連絡がつかなければ戻ってくるじゃろう!と、私は考えたのじゃ!!」


 ドヤァ。と、腰に手をあてながらふんぞり反るナデシコさん。


 何て事無い様に言ってるけど、でも通信用の魔力を受信した瞬間に魔力をジャミングしてそれの邪魔をするとか、少なくともリコレさんクラスにならないと出来ない芸当だと思う。


 それを軽く言えてしまうナデシコさんは、やっぱり色んな意味で凄い人なんだなぁ。と、ある意味感心していると…。



「な~で~し~こ~さ~ま~?」


「何じゃ藤、お前も弟に会えて嬉し…か、ろ?」


「いくらなんでも、物事には限度、と言うものがあります!!」



《ピシャアァアアアアン!!!》


「にゃあああああああ!?」


 般若みたいな顔のフジさんが、特大の雷を落とした。


 物理的に。




雷を物理的に部屋の中で実際に落としたら、皆死にますよねww


本日も、此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します


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