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百五十三話目 鳥居の先の光


8月1日の更新です。

本日も宜しくお願い致します




 双子型魔道具だと言う2人の少女に付いて行きながら、僕達は鳥居の中を潜りつつ歩いていく。


 僕は背が低いから大丈夫だけど、背が高いランスロット先生何かは、若干腰を屈めながら歩かなくてはならず、少し体制がキツそうだ。


 特に、腰が。



「「もう少しで御座います。あぁ、御覧下さいませ。彼方に光が見えて参りました。」」


 またピッタリと2人の声が重なる。


 2人の指差す方を見れば、確かに無数に並ぶ鳥居の先に、光が見えた。


 あっ、あそこがゴールか。とホッとする反面。あそこに行った時、魔族やそれに準ずる物達に囲まれてしまうのでは?とドキドキもする。


 これが【鬼が出るか、蛇が出るか?】ってやつ何だろうけど、この場合【鬼】は仲間だもんだからややこしい。




「「私達は鳥居より先へは出られません。此方から先は、また別の者がご案内致します。どうぞごゆるりと、鬼神村をお楽しみ下さい」」


 最後の鳥居の左右にまた2人が並び、初めて会った時の様に、それぞれが片手を開いて道を示した。


 ずっと無表情だった2人の顔に、うっすらと笑みを浮かび、次いでそのまま深々と頭を下げる。


《シャランッ》


 また、鈴の音が聞こえた。


 あっ、良く見たら、帯留めに鈴が付いてたのか。僕の小指の先程しか無い、小さな鈴なのに、やけに大きな音で聞こえるね?



「そっ、そうか。案内ご苦労であった」


「ありがとね~?」


「「どうぞ、行ってらっしゃいませ」」


 お辞儀をしたまま動かなくなった2人に挨拶をしながら、最後の鳥居を僕達は潜った。


 薄暗かった視界が一気に光に溢れ、白で満ちる。





「お帰り浅黄。そして、お客人方、ようこそ我が村へお来し下さいました」



 眩しさに、少し目を眩ませながらも声の方を見る。


 一応警戒しながら鳥居から飛び出したものの、目はずるいよね?僕とアサギ君に関しては咲良が先を歩いて警戒してくれていたから大丈夫だとは思ったけど、やっぱり一瞬怯んでしまうよ。


 さて、そんな訳で、手で光を遮りながら敵意の無さそうな声のする方へと向き直ると、そこにはアサギ君に良く似た、銀髪の青年が立っていた。


 赤鬼さんのアサギ君とは違い、彼は肌が青みがかった色をしているけど、顔立ちはアサギ君とそっくりだ。違うのは、肌の色と、髪の毛と髪の毛と同じ瞳の色。つまり銀色の瞳。ってところくらいかな?


 で、そんな青鬼さんは、背中くらいまである長い銀髪を、組み紐みたいな青い紐で結んでいて、薄い萌木色の着物を軽やかに着こなしていた。


 物腰も柔らかくてフワフワした感じの印象を受ける人だから、若武者って感じのアサギ君とはタイプが大分違うけど、何でかこの人は絶対アサギ君の家族だ!って感じがする。まぁ、鬼さんが皆同じ顔って言うなら話は別だけどさ。



兄様(あにさま)!ご無事で御座いましたか!?」


「え?無事って何が?うわっ!?浅黄!お客人の前で止めなさい!!」


 と、呑気に僕が観察をしている間に、アサギ君が銀色の人に抱きついて、ベタベタと体や顔を触り始めた。


 【お兄さん】だと彼は言っていたし、家族が心配だった反動から何だろうけど、体をまさぐる様な触り方が何かやらしい。


 流石にお兄さんもコラッ!と嗜めているけど、アサギ君は全く聞いていないみたいだ。


 リコレさんも止める隙もなかった。みたいな顔をしているし、あんまりにも情け容赦ないアサギ君の触り方に、僕と葵君は、何となく目をそらした。




 ……イケメン2人がイチャイチャするのは僕にとってご馳走だよ!!




 って言うのは、亜栖実さんの言葉で、何もこんな時に。って自分でも思うんだけど、何故かついつい思い出してしまって、何だか1人で居心地が悪くなってる僕なのでした。




亜栖実の言葉は、腐女子。いや、貴腐人の友達が本当に言っていた言葉ですwww


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新致しますので、また宜しくお願い致します

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