百三十三話目 コローレさんご乱心
7月4日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
本村に行く為にと、ウスタールさんと村長さんに案内されながら僕は村の外へ出て来ていた。
勿論精霊達も一緒で、今は僕のお腹の中で待機している。……と言うか、食べ過ぎたから寝てるのかも?
まぁ、それはさておき、皆で一変に抜け出してきた訳だけど、他のエルフさん達は、どうやら騒げれば良いらしく、僕達が祭壇?から下りても特に騒ぎにはならなかった。
まぁ、葵君とアルミナさんは残った事だし、きっと2人が居れば良いんだろうね?
「ウスタールさん、どちらへ向けて歩けば良いですかね?」
さて、と…。何処へ行けば良いのかな?
と、キョロキョロしていると、
「彼方に道があるのですが、この場は迷いの森となっております。シエロ殿さえ宜しければ、私の手にお掴まり下さい」
何て言いながら、ウスタールさんが手を伸ばしてくれた。えっ、笑顔が眩しいです!
「あっ、はい。すいませ……「シエロ様、私の手を」ん?」
余りの笑顔の眩しさに目をショボショボさせながら、ほぼ反射的にウスタールさんへ向けて手を伸ばすと、途中で別の方から伸びてきた手に引っ張られた。
引っ張られた方を見ると、ちょっと不機嫌そうなコローレさん。
「えっ、と…。何してるの?コローレ?」
「貴方様の手は、私めが引かせて頂きます。スワードもそれで良いですね?」
「勿論です。あぁ、最近族長が新しく結界を張り直しましてね?是非破ってやって下さい」
「フフフ。それは楽しみですね?ではシエロ様?参ります。よ!」
「へ?うわちょっ!!?」
コローレさんは村長さんとコソコソ何やら話した後、何故か僕をお姫様だっこしながら走り出した。
光の精霊様なだけあって、コローレさんの足は速い。あ、いやまぁ光の速さで走り抜ける訳じゃないけどね?うん、何となく速いってだけ思っといて下さい。
って言うか、こんな事を考えている間にも、村長さんやウスタールさんとの距離が、ガンガン開いていく。
さっきまで不機嫌だったコローレは、何故か急にご機嫌になってるし、でもジェット機並みに速いし、ちょっとパニックになりそう!
た~す~け~て~!!
◇◆◇◆◇◆
《side:ウスタール》
「おい、スワード!御使い様が拐われてしまわれたぞ!?」
余りに急な出来事に、私は御使い様が連れ拐われる一部始終を、ただポカンと見ているだけに終わってしまっていた。
口も馬鹿の様に開きっぱなしだった私は、後悔しながら後ろに佇むスワードに向き直る。
指示を仰ぐ意味も込めて、スワードの方を見れば、楽しそうにニヤニヤと笑っていた。
「……何が可笑しい?」
「いや?ククク、親父殿がビックリするだろうなぁ?と思ったら、つい、な?」
「つい、では済まないだろう!?速く追いかけなくては!!」
ニヤニヤと、訳の分からない事を言いながら笑うスワードに痺れを切らした私は、スワード等放っておいて彼らを追いかけなくては!と走りだそうとした。
しかし。
《パシッ》
「まぁ、まて!あの人の邪魔をしたら、ワシが親父殿に叱られてしまう。ワシ等は、ゆっくりと本村へ向けて歩いていけば良いのさ」
と、ニヤニヤが止まらない。と言った風情のスワードに止められてしまい、走り出す事は叶わなかった。
《バシッ》
苛立ち紛れにスワードの手を叩き落とす。
「一体何だと言うのだ!御使い様に何かあってからでは遅いのだぞ?」
「ククク。お前もワシと同じで鈍いのう?あの方はな?ーーーー」
スワードのニヤケ顔を見ながら、私は言葉を失った。
◇◆◇◆◇◆
《side:シエロ》
「さぁシエロ様、着きましたよ?」
《ストンッ》
「うぅう。コローレ、無茶苦茶し過ぎだよ!?」
ニコニコしているコローレに向かって噛みつく。
今、僕達は真っ白な建物の中の、神殿の礼拝堂みたいな場所にいる。
うぅ~、声が響いて頭がクラクラするよ…。
他の精霊達も、お腹の中で目を回しているみたい。それくらい、コローレさんは凄かったんだ。
「スワードから挑戦状を受け取りましたからね?ついつい張り切ってしまいました。申し訳も御座いません」
「いやいやいやいや、村長さん別にそんな事言ってな……あれ?言ってたのかな?いや、それにしてもだよ!!走りながら人んちの結界破壊するなんて、非常識にも程があるでしょ!??」
僕の叫び声が建物の中にまた響く。天井が凄く高いからか、恐ろしく響くんだよね?
あああ、こんなに厳かな場所で騒いでたら、今度こそ憲兵さんに捕まっちゃうよぉ!?
と、僕が頭を抱えていると、
「フフフ」
と、僕の後ろの方から笑い声が聞こえてきた。
サブタイトルにも書きましたが、コローレさんご乱心ですww
最近コローレさんの焼きもちが過ぎる気がしますが、まぁコローレさんですしねwww
本日もここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。
また明日も同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します




