百三十二話目 本村へ行こう!
7月3日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
2019年4月16日 誤字修正致しました
手を振りながら、僕の前までやって来た村長さんは、祭壇に奉られているみたいな僕の姿を見るなり噴き出した。
「ブッ!ククク…。何じゃシエロ殿、その姿はどうした?」
「どうしたもこうしたも、貴方のとこの村人さん達にやられたんですけど…」
笑いを噛み殺しきれていない村長さんに、僕はブスッとしながら答える。
今僕の頭の上には、鮮やかな色とりどりの花で出来た冠が被せられていて、更にハワイのレイみたいな首飾りが10本くらいかけられている。
元から着ていた白いローブと相まって、
《「神秘的ッスよ?ンププ」》
と、葵君からお褒めの言葉を頂いたくらいだ。
まぁ、あんまり楽しそうに褒めてくれたので、取って置きの魔道具を使って頭まで氷漬けにしてあげたのも良い思い出です。
……アルミナさんにすぐに助け出されちゃったのだけは誤算だったけどね?……くそ、リア充爆発しろっ!?
「で?急にどうされたんですか?さっきまで、僕と同じ目にあいたく無いからと逃げ回っていたのに」
僕は、頭と首の飾りを外しながら、村長さんに問いかけた。
「あ~。そうそう、こいつが…。シエロ殿、何やってんだ?」
折角だからと、外したものを風華や実里、咲良とコローレにかけてあげる。シャドは小さいから、冠についていた小さな花を頭に飾ってあげた。
やっばい、皆超可愛い!
「可愛いでしょ?」
村長さんに振り返って問いかける。
「お?うん、まぁ、可愛い…かの?」
村長さんは、ちょっとたじろぎながらも答えてくれた。
「えへへ、可愛いかしら?」
「んフフ。中々こう言うのは無いがらな?風華ちゃん似合ってるだよ?」
「あら、実里だって似合ってるわよ?」
『シャドは?シャドは?』
「あら、勿論可愛いわよ!」
「んだんだ♪」
『えへへ~』
うん。何だかんだ皆嬉しそうだ。僕まで嬉しくなっちゃうね?
ととと、そうだ。
「すいません。で、何でしたっけ?」
ボッキリ折ってしまった話の腰を繋ぎ合わせる様に切り出した。
「あ?あぁ…。シエロ殿、紹介しよう。此方は本村から来たウスタールだ。ウスタール、此方が御使い様の、シエロ殿だ」
すると、村長さんは、自身の隣にいる人を僕に紹介してくれる。
「あっ、初めまして。シエロ・コルトと申します」
《ストッ》
流石に失礼になるかな?と、祭壇から降りて目の前の人にペコリとお辞儀をして簡単に自己紹介をする。
「ご丁寧にどうも。私は、ウスタール・アスタ。本村に住む、森の一族です」
すると目の前の貴公子…もといウスタールさんは、爽やかに微笑んだ。
やっばい、笑顔が眩しい!!
ウスタールさんは、銀色の髪の毛を腰まで伸ばした超絶イケメンだった。翠色の綺麗な川の底みたいな色の瞳に光があたると、ガラス玉みたいにキラキラと光っている。
白銀色のローブと、瞳と同じ色の蔦柄の刺繍が似合いすぎていて、更にヤバイ。
やっと、やっと僕が想像するエルフに会えた!!!!
と、心の中で号泣しながらも、もう一度ウスタールさんの顔を見る。
「うっ……」
ヤバイッス!これぞ求めていた最高のエルフ!!
あっ、思わず涙が溢れちゃう。だって、男の子だもん。
「ど、どうされました!?」
「いっ、いえ、何でもありません。しかし本村…ですか?此方以外にも、森の一族の村が近くに?」
「え、えぇ…。まだ村長が伝えておりませんでしたか?それは申し訳ありませんでした。此方の村は、本村を守る為のものでして、他にも似た様な防衛の為の村が3ヶ所ございます。」
「ん?まだ言ってなかったかのう?ハハハハハ、悪い悪い」
カカカと笑う村長さんの顔を、呆れた顔をしながらウスタールさんが見つめていた。
しかし、本村かぁ…。
どうしよう。僕、ワクワクすっぞ!!
本日もここまでお読み頂き、ありがとうございました!
明日も18時頃に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します




