百三十話目 一方その頃…。
7月1日の更新です
本日も宜しくお願い致します
2019年4月16日 誤字修正致しました
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《side:葵》
《キュンキュンキュンキュン……ピチュンッ!》
《グギャアアアア!?》
まるで、ひと昔前のシューティングゲームの効果音みたいな音が、迷いの森の中に響き渡る度に、目の前の木の魔物の、太い根っこや、バカでかい枝が蒸発していく。
おいおい、お前何言ってんだよ?何て本気で頭の方を心配されそうな言い方してんのは分かってんだけどよ?
実際俺っちの目の前で起こってる出来事なんだから、しょうがなくね?
「マモル、余所見厳禁ですよ?」
「う、うッス!あっ!コロさん!あいつ、根っこ伸ばしてるッス!たぶん背後から、とか考えてるかもなんで、気を付けて下さい!!」
「了解!」
地面に手を置いて、目の前の木の化け物の思考を読み取り、それをコロさんに教えていく。
昨日までのデスパレードに比べれば楽なもんだ。
まぁ、それだけ誠治さんの発作がヤバイとも言うんスけど…。
「あっ!?風華様!!貴女の右斜め下から枝が3秒後に来るッス!避けて下さいっ!!」
《フォンッ!》
「その風華様っての止めて頂戴!?えぇいっっ!」
《ヒュンヒュンヒュン、ヒュン!》
華麗に、風華様が無粋な木の化け物の伸ばしてきた枝を避ける。
避けた時にチラリと見えた白いおみ足に目を奪われると、化け物目掛けて放ったウィンドカッターの1つが、俺っちの頭スレスレに飛んできて髪の毛を数本持っていく。
「うぉわっ!??」
ハラリと落ちた髪の毛と襲ってきた風圧で、俺っちの方にもウィンドカッターが飛んできた事に気がついた。
……ぜ、絶対わざとだ。
「ほらっマモル。余所見しない!」
《カカッ!!》
「ぎゃあっ!?目が!目が~??」
コロさんの声に反応して慌てて彼の方を見た
瞬間に、今度は眩い光で目を潰されたッス!
ぜっ、絶対わざとっしょ~(´;ω;`)
◇◆◇◆◇◆
《side:咲良》
「左上、実里姉さんに向けて葉っぱを飛ばして来ようとしてます!アルミナさんは背後から根っこ!それぞれ気を付けて下さい!」
「了解!」
「おっけ~なの!!」
《ズドンッ!バシュッバシュバシュッ》
《ビキビキビキビキ》
実里姉さんが自身の左側に土壁を形成し、アルミナさんが地面を固めて根っこの出現を阻止してている。
それぞれ余裕を持って防御と攻撃をしてくれているので、トレントの魔力を感知しながら指示出しをしている俺としては、とても楽だ。
「実里姉さん、アルミナさん!そいつに葉っぱを遠隔操作する技量は無いようです!!ですから、地面に落ちた葉っぱや、切り落とした枝には注意しなくても大丈夫ですから!!」
「「分かっただ!」なのっ!」
さて…。チラリと俺の後ろで力を溜めている奥方様を見る。
村長様の奥方様が光属性持ちだと言う事で俺達の班に加わって頂いたが、矢張マスターやコローレさんと比べると、力を溜めきるまでに時間がかかる様だ。
それに、
「光の子供達よ、我声に答えて力を貸し与えたまえ。汝が主、スカーレット様の名の下に、我、力を示さんーーー」
呪文の詠唱が矢鱈と長い!!!
まぁ?詠唱に呼応する様に集まって来ている妖精達はいくつかいるから、そこまでこの人の力が弱い訳では無いみたいだけど、普通はこんなにかかるものなのか?
「姉さん!トレントの左手から、闇の魔力が籠められていくのを感じます!何をしてくる気か分かりませんので、注意してくだっ、さい!!」
《ザシュッ!》
「あいよっ!」
俺は、姉さんに指示をだしながら奥方様を狙ってきたトレントの根っこを、マスターからお借りしているナイフで切り飛ばした。
「汝、神の子。光の子らよーーー」
まだまだ続きそうな呪文の詠唱を聞きながら、俺はトレントを睨み付けた。
班分けはシエロがしました。
絶対わざとですwww
本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。
明日も18時頃に更新致しますので、またお読み頂けたら嬉しいです




