表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/293

百十八話目 号泣と初めまして


6月19日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「あー。あ゛ーーー!うわぁ゛ーーん」


 360度全てを森に囲まれた、小さな空き地の真ん中で、盛大に泣いているのは僕だ。


「うわぁ゛ーーーん!あーーーん!」


 40過ぎたおっさんが、子供みたいに泣くなよ。何て今だけは言わないで下さい。


 それだけ酷い目にあったんです。


 僕は高いところが怖いのです。


 何度も()めて!()めて!と、叫んだのです。止めても止めてもくれなかったけど…。



「ひっ、ひぐっ、いうぅ゛~~。あーーーん!」


 僕も流石に良い大人がギャン泣きするのはな~?何て、頭の片隅では分かっているから、何とかして泣き止もうとはするんだけど、勝手にしゃくりあげてくるのまでは止められず、


「よしよし」


「かわいそかわいそな?」


「シエロ、どっかいたい?いたいの?」


「う゛ぅ~」


 何て、風華と美里、シャドに慰められても僕の涙腺を止める事は出来なかった。って言うかさ?きりもみ飛行とか、八の字飛行とか、マジ無理!マジで死ぬかと思ったんだからね!!そこは反省してもらいたい!!!



「で?言い残す事はありますか?」


「「すいませんでした!!」」


「すいません。何て言葉だけで本当に許されるとお思いですか?特に、とかげ?道中、俺は何度お前を止めたか、覚えているか?」


「「誠にもって、申し訳ありませんでした!!!」」


 僕の涙の元凶2人は、絶対零度の、凍てつく笑顔を浮かべたコローレと咲良に挟まれて、真っ青な顔をしながら土下座して謝っている。


 いつもならそんな2人に突っ込んだり、コローレ達を諫めたりするんだけど、今の僕にそんな余裕など無い。


「うぅ゛ぐぅ~~。ヒック、ンックうぅ~~」


 何せ、勝手にしゃくりあげてくる自身の涙と、横隔膜を制御出来ないくらいだ。【お話し中】の彼らを止める。何て芸当、今の僕には無理無理。無理ったら無理!



「泣いているのは誰かな?」


 と、木の陰ーーまぁ僕の周りの景色全部木だけどーーから、女の子が顔を出した。


 まぁこんだけ大きな声で泣き叫んでいれば、近くにあると言う隠れ里から人が来てもおかしくはないよね?



「ヒック、ンック…」


「おや、子供かな?……可愛いヒューマンのお嬢さん、何でこんなところで泣いているのかな?」


 木陰から顔を出したのは、金色の腰まである髪の毛、その前髪を編み込んでカチューシャの様にしてとめている、瞳の真っ青な女性だった。


 芯の強そうな、でも優しげな瞳で、僕を見る。


 麻を紡いで作った様な、つなぎに似た動きやすそうな服装の女性は、ゆっくりと此方へ寄ってきた。


 つなぎに不釣り合いな皮のホルダーから手を外さないところを見ると、あれは武器で、大分彼女に警戒されてしまっているらしい事が見てとれる。


 当然だ。こんな山奥の森の中でワンワン泣いている子供とか、僕だって怪しむわ。



 でも、僕は今、警戒心とか、命懸けのジェットコースター恐すぎだ!!とか、年甲斐もなく泣いていた事とか全部吹っ飛んでしまっていた。


 現に、まだ少ししゃくってはいるものの、殆ど涙は止まっている。


「ヒック。森の、ンクッ人?」


「おや?君は我々をご存じなのかな?」


 通称【森の人】つまりは【エルフ】


 今、僕の前には、ゲームや小説、漫画や映画なんかでお馴染みの、耳が長くて魔法に長けた、不老長寿の種族が立っていた。




ただ、シエロを号泣させたかっただけですwww

反省はするが、後悔はしてません!!


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ