百十五話目 帰ってきた葵
1週間もお休みさせて頂き、ありがとうございました!
6月16日の更新です。
また本日から宜しくお願い致します
2019年4月14日 誤字修正致しました
コローレが天界から帰ってきてから、更に1ヶ月が経った。
あれから、まだ誰も魔族領から帰ってきてはいなくて、僕も魔族領へ行った方が良いんじゃないか?何て思い始めた。そんな頃だった。
「ただいま戻りました」
月島さんが、ニコニコしながら急に帰ってきた。……何故か白目を向いた葵君を背負って、ね。
「おっ、お帰りなさい。月島さん、葵君が白目向いてるんですけど!??」
「あぁ、そうなんです。全く情けない事ですが、葵がギブアップしましてね?シエロ君に頂いた転移用の魔道具を使って帰ってきたんですよ」
「……」
やれやれ、と両手をあげて首を振る月島さんに、いやいやいや、僕が聞きたいのはそこじゃないから!?と突っ込みたくても突っ込めなかった。聞くのが怖かった。ってのもある。
まぁ、彼に渡しておいた魔道具が正常に動いたのは喜ばしい事d…じゃなくて!
「取り合えずそこのソファーへ寝かせてあげて下さい。僕は冷やすもの持ってきますから!」
「あぁはい、分かりました」
気になる事は多々あれど、それ以上に白目向いてる人をそのまま放置しておく訳にはいかない。と、僕は先ず氷水を作るべく台所へ走った。
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《カランッ》
桶の中の氷が鳴く。
「何だってこんな事になったんだろう?」
ソファーに横たわる葵君の姿を見ながら、ため息を1つ溢す。
月島さんは葵君をソファーに寝かせると、
《「それでは僕は急ぎますので、後は宜しくお願い致します!」》
何て、とっても良い笑顔を浮かべながら凄いスピードでアジトからまた出て行ってしまった。まるで逃げるみたいな速さだったけど、本当に何があったんだろうね?
「ふぅ」
僕はもう1度ため息を吐くと、葵君のおでこのタオルを冷やした物に変える。
《ジャボンッ》
取り変えたタオルを氷水の入った桶に沈めると、泡がブクブクと浮かび上がって、まるでタオルまでため息を吐いているかの様に見えた。
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結局、一晩看病する羽目になった。
途中で風華とコローレが変わってくれたから仮眠は出来たけど、何か葵君矢鱈とうなされていたし、何となく放っとけなかったんだ。
「ふわ…」
思わず欠伸が出る。
むにゃむにゃ言いながら、実里と一緒に朝ごはんの仕度をしていると、誰かの話し声と共に、食堂の扉が開く。
《カチャッ》
「おっ、お早うございます」
声に反応して顔を上げると、そこには葵君が立っていた。
アトラか宇美彦だと思っていた僕は、目をパチクリさせながら固まってしまったのでした。
月島誠治は確実に逃げてますwww
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
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