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百十二話目 頭に大ダメージ


6月3日の更新です

本日も宜しくお願い致します



《side:シエロ》


「シエロ、シエロ!起きテ?」


「ん?ん~」


 ペチペチと軽く頬を叩かれる感触と共に、意識が浮上していく。


 光の中、眩しさに少しだけ目が眩んだけれど、シパシパする目を開けると、ドアップのスー君がそこには居た。


「うわぁっ!?」


 あんまり顔が近かったので、ビックリして大きな声をだしてしまった。


 けど、相手がスー君だった。と言う事実が、僕の頭を強制的に覚醒させる。


「スー君?身体は大丈夫?どこか軋んだり、痛いところは?」


「うわわ~?」


 腹筋の力でガバッと起き上がった僕は、そのままの勢いでスー君の顔や腕など、身体中をベタベタと触りまくった。


 字面だけみたら、完璧な変態さんである。


 でも、良かった。スー君が生きててくれただけじゃなくて、腕や足なんかの露出している部分の皮膚の皺が無くなって、ピッチピチになってる。


 彼の肌は、触るのが楽しくなるモチモチお肌に戻っていた。


「あれ?スー君、髪の毛…」


「ムニュ~」


 そして、頬っぺたを両手で挟んだ時に、僕は彼の異変に気がついた。


 って言うか、何で気づかなかった?って小一時間くらい問いつめられそうなくらいの大きな変化だった。


「何でスー君の髪の毛、()()()()なってるの?」


「ムニュモニュムニャ」


「ソラ、いい加減離してやれ…」


 スー君の頬っぺをもみもみしながら髪の毛の変化について叫んだら、宇美彦に止められてしまった。アハハ、さっきと逆になっちゃったね。


「ごめんごめん。で?何でスー君、髪の毛真っ白?」


「んへへ~♪」


「俺が知るかよ?裕翔、亜栖実、どうなんだ?」


 もみもみしていた手を離して、今度はスー君の頭をよしよしと撫でた。


 ご機嫌な時の猫みたいになったスー君を横目に、僕は宇美彦に問いかけてみる。


 すると、宇美彦は後ろを振り返って裕翔さん達に丸投げた。


 ナイスパス?……じゃなくて!



「あっ、裕翔さんに月島さん、コローレお帰りなさい」


「ただいま。全く、君はまた無茶したね?」


 此方に裕翔さんが苦笑しながら近づいてくる。ううう、また心配させちゃったなぁ。


「すいません…」


「全くだ!君はどれだけ我々の肝を冷やせば気が済むのだ!!」


 困った顔をしている裕翔さんに向き直り、素直に謝ると、凛とした声が裕翔さんの後ろから聞こえてきた。


 あれ?でもこの声って…?


 そう思いながら裕翔さんの後ろをうかがい見ると、そこには仁王立ちしたコローレさんの姿があった。


 やっぱりあの声はコローレだよね?でも、何だろう。雰囲気がいつもと違う様な?


 何て首を傾げていたら、仁王立ちしていたコローレさんがツカツカと僕に近づいて来て…。


「何度危ない事はするな、と言えば、貴様に通じるのだ!!」


《ガッン》


「でっ!?」


 強烈な拳骨を頭に落とされた。


「っっ~~~」


 僕が頭を押さえながら悶えていると、頭上から、


「はぁーーー」


 と、深いため息が落とされた後で、


「全く、君くらいなものだぞ?我々をここまで振り回すのは」


 何て言いながら僕の頭を優しく撫でてくれた。


 恐る恐る顔を上げると、ガーネット色の瞳と目が合う。


 ん?コローレの瞳の色は、確か黄金色で、こんなに鮮やかな朱では無かった様な…。


 こんな話し方をして、かつガーネット色の瞳を持つ人物に、僕は1人、心当たりがあった。




「もしかして、シルビアーナ?」


 僕は目の前の人物に話しかける。コローレの姿…と言うか彼の体を拝借している、【中の人】が、ニヤリと笑った。




本当はスー君を此処で死なせる筈だったのですが、私には無理でした!←昨日言えよ!!

と言うわけで、スー君残留決定です!!これからも彼を宜しくお願い致しますww


本日も、此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します

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