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プロローグ①


 お久し振りです。


 また性懲りもなく帰ってきてしまいました(汗)


 相変わらずのバタバタした物語ではありますが、皆様の暇潰しにでも活用して頂けたら幸いです。


 また宜しくお願い致します。


お豚汁子



 ここは、モーント王国のほぼ中央に位置する王都モーネ。


 この街の中心には、世界有数の大きさを誇る魔法学園。(セント)ホルド学園があり、また街の外には、手頃な野営地として、初級冒険者の登竜門的な扱いで有名な、標高2380メートルのニンファ山と言う山が聳え立つ街。


 そして更に、幻級のSランク冒険者としてのみならず、勇者一行としても名高い【きなこもち】と呼ばれるパーティーの拠点の1つとしても知られている街である。



 さて。そんなモーネの街の中心街より、やや右にずれた場所に位置している屋台街を歩く、1人の青年が居た。


 モーネの街の屋台街は、昼間からでも酒が呑める場所が多い為、ご機嫌に顔を赤らめた酔っ払い達が楽しそうに食事をしている。


「ははは、かんぱ~いぃ」


「なぁ、今日はどこで昼飯食う?」


「うえぇ~いぃ♪」


「今日はアドレアさんとこで食べようぜ?」


 酒場の横を、酔っ払い達を横目に、休日の子供達が楽しそうにその脇を駆けていく。


 こんな、酒が昼間から呑める様な場所の横で、子供達が平然と歩けるほど治安が良いのもこの街の特徴ではあるが、しかし、今はこの青年の方に目を向けてみる事にしよう。


 青年は、この国で良く見かけられる、標準的な皮鎧を身に付け、腰には標準よりも少し短めの片手剣をさげている。


 顔は不とも美とも取れぬ顔で、この国の住民にしては珍しい色合いの黒い髪色と、不思議と印象に残らない黒い目と言う組み合わせ以外は、なんとも純朴そうな顔をしていた。


 そして体格は、と言えば、大柄で、ガタイの良い男性が多いこの国の住民にしては珍しく小柄で、どこかひょろりとしており、よく言えば守ってあげたい系。


 悪く言えば、何とも頼り無さげ。と言えた。


 そんな不思議な印象を漂わせた青年は、ご機嫌な酔っ払い達が騒いでいる往来の真ん中を、子供達に混ざりながら楽しそうに、鼻歌混じりに歩いていた。


「おうソラタ!久しぶりじゃねぇか、元気だったかよ!?」


「あんまり見ねぇから、おっちんじまったんじゃねぇかと心配してたんだぜ?」


「何だよおっちゃん達。こんなおてんとさんが高いうちからベロベロじゃねぇか?そんなんじゃその内、罰が当たんぞ?」


「ぎゃははははは!!そいつはちげぇねぇ!」


 下品に笑いながら絡んでくる酔っ払い達の軽口に怒るでもなく、呆れた様な顔で答える青年は、酔っ払い達から親しそうな口調で【ソラタ】と呼ばれていた。


 不思議な見た目に対して他にはこれと言った特徴も無く、ひょろりと細長い体の、何処か頼りない見た目をした青年の姿に、最初は


【お前なんかが冒険者になれるかよ】


 と、鼻で笑って馬鹿にしていた彼等酔っ払い…もとい、彼等屈強な鋼の身体を持った冒険者達だったが…。


 登録から半年間足らずと言う短い期間の間に、最低ランクのEランクからスルスル~っとCランクまで駆け上がって行った青年の姿を目の当たりにしてからは、皆、青年に一目置く様になっていた。


 因みに、EランクからCランクになるまで平均5年はかかると言われれば、その速さが分かると言うものだろう。


「なぁソラタ~。今日は何かツマミ持ってねぇのかぁ~?」


 まぁ、笑われたりからかわれたりする度に一緒に呑みに出掛けては、摘まんでくれよ、と美味い料理をツマミとして差し入れし、【餌付け】していたから懐かれた。と言うのが真実の様な気もするのだが…。


「あ~残念!今日は依頼でこっちまで来てるから、何もねぇな~」


「何だよマジか~」


「ハハハ、仕事なら仕方ねぇな?ソラタ、気ぃつけて行ってこいよ?」


「おぅ!んじゃな?おっちゃん達、呑み過ぎんなよ!?」


「「お~う」」


 陽気に返事を返す酔っ払い冒険者達に軽く手を振りながら、青年は雑踏へと姿を消していった。


 彼の名前はソラタ・キド。


 この国で観光名所になる程有名な、勇者一行パーティー。【きなこもち】のメンバーにして、この物語の主人公である。




 何故シエロが【ソラタ】として冒険者をやっているかと言えば…


 まぁ、ご想像の通りです(笑)



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