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クズな俺と、純粋な姉妹  作者: 鯨@バーベキュー
2/6

昔→今→地獄?

 そして、一時間目の事。

 事の発端は、みいちゃん――もとい、瑞姫から発せられた一言からだった。

 一時間目は国語だった。担当は、うちの担任だ。

 当然、なのかはわからないが、二人は手元に教科書がない。その上、友達もいない。そんな状態で勉強なんてできるはずもないので、こう言った。

「先生。私とヒナは、教科書がないので、優夏くんと一緒に見てもいいですか?」

 双子。たしか、瑞姫が姉じゃなかっただろうか。まあ、双子なんて、どっちがほんの少しでも早く生まれるかの違いだ。どちらが姉か、なんてことはどうでもいいような気がする。

 ただ、この際どうでもいい。このセリフを聞いて、クラスメートどころか、俺すらも茫然としていた。

 それも無理ももない。たしかに俺たちは幼馴染だった。けれども、それは昔の話。

 しかし、それを知らない連中は、赤の他人だと思うことだろう。そして、その赤の他人が名前で呼ばれたとしたら?

 そんなことは決まっている。

『うぇええぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉』

 全員が驚きの声を上げる。一人残らずだ。俺は驚かなかった。というよりも、茫然としたままだったからだ。

「こらー、静かにしろー。今は授業中だぞー。それと、空野姉妹のことは、許可する」

 許可しちゃうんだ。まあ、当然だよな。さっき先生が、なんでも頼れ、そう言ってたからな。

 その一言を聞いてか、二人が机をくっつけてくる。

「よろしくね、優夏くん」

「よ、よろしく、お願いします。ゆうくん」

「お、おう」

 や、やべえ……。めっちゃ恥ずかしい!どうすんだこれ⁉俺の理性、持つのかが心配だな……両サイドから女の子特有の甘い匂いが漂ってくる。しかも、同じ教科書を見ているせいで、両腕に、その……やわからかいものが当たっているんですが……?こんなラノベの主人公みたいなことが起こるとは思わなかった。こうしてやられてみると、すごく恥ずかしいし、なによりも……視線がいたい。男子生徒達の視線がいたい。

「ねえ、優夏」

 やはり視線は気にならないみたいだ。この激痛の視線の嵐の中、俺に話しかけてくる。

「今日さ」

「い、一緒に、帰りませんか?」

 おおう……そうきたか。どうやら、視線の事ではないみたいだ。

「い、いいけど……でも俺、二人の家、知らないんだけど……」

 昔と同じじゃないから、俺としてはどうしようもない気がする。

 それより、俺としては二人の変わりようが気になる。特にヒナちゃん。昔のヒナちゃんと言えば、みいちゃん(もう、こっちで行こうと思うよ)と同じ、元気いっぱいだったよな?それが今じゃ、恥ずかしがり屋な性格になっている。この変化には驚くよ。まあそれは、みいちゃんにも言えることだけど。

「大丈夫だよ」

 何が大丈夫なんだろうか?

「わ、私たちの住むところは、ゆうくんがよく知っている場所なので……」

「俺の、知っているところ?」

 俺の知っているところ……どこだ?あるとしても、公園(野宿だよな、それ)とか、前の二人の家(すでに誰か住んでる)とか、あとは、もうダメ壮(建物の状況は、もうダメそう)ぐらいだよな……なくね?

「ごめん、思い浮かばない」

 というか、それ以前の問題として、九年ぶりに再会したのに、感動とかそういったものが、すげえ薄い気がする。なんで?

「今日の放課後になれば、わかりますから」

 今日の放課後?なぜ?……一緒に帰ろうとは言われたけど……その時に分かるのだろうか?

 思いつく限りの事が頭の中をよぎっているが、どれもうまく当てはまらない。

 しかしなんだろうか、この二人の異常な笑顔だ。なんだこの笑顔は⁉

 何度も言うようだが、この時間、俺は男子たちの怨嗟の視線が突き刺さっていた。


 授業飛んで昼休み。

 二人は昼休みになるなり、教室から出て行った。

 なんでも、手続きが全部終わっていないとかなんとか。

 にしても、いつ戻ってきたのか謎になる発言だな。

 ま、今の俺にそんなことを気にする余裕はないわけだが。

「「「おい!どういうことだよ、黒神⁉」」」

 俺は、男子生徒達に詰め寄られていた。しかも、他クラスの人間まで。なんで?

「な、なにが?」

「とぼけるんじゃない!お前、なんで転校生二人とあんなに仲がいいんだよ⁉」

 あ、ああ……。そのことかぁ……。デスヨネー……。

「それのこと、ですか……」

 思わず、敬語になっていた。

なんて説明すればいいんだ……?

「え、ええっと……」

「誤魔化そうとすんなよ……?」

 おおう……こいつぁあ、逃げ道がねえな。つーかよ。朝から視界に入っていたんだけどさ……翔太、さっきからやばことになってるんだよ。

 顔が虚ろ(間違ってはいないよ?)で、なにか独り言をつぶやいている。何を言っているのかはわからんが。

「さあ、早く言ってもらおうか」

 しょうがないか……。

「実は――」


「「「はぁぁああぁぁぁあ⁉黒神の幼馴染ぃぃぃぃぃぃぃッッッ⁉」」」

 すごい大声で驚かれた。

「な、なんだよそれ⁉」

「そんな話、聞いてねえぞ⁉」

「当たり前だ!九年も前の事で、その上一度も会わなかったんだから、言うわけねえだろうが!」

 そんな個人情報、ほいほい言うかっての。

「くっそう、俺にもかわいい幼馴染とかいればっ」

「俺だって、彼女がいさえすればっ」

「俺も、かわいい妹が欲しかったっ」

 何言ってんだ、こいつら。

 にしても、よほどショックだった、という事がわかるかるほど、嘆いているな。

 というか最後のやつ、それは無理だろう。物理的に。

「……で、それだけか?」

「それだけって……お前、ふざけんなよ?」

 ああ、これ無限ループか。魔王に勝てなくて、セーブポイントから始まり、次第にその前の先頭でも勝てなくなっていくという、あれみたいになってるな。

 んで、結局この後は、弁解的なことをして昼休みは終了。

 ……昼飯、食い損ねたな……。


 放課後。

「それじゃあ、一緒に帰ろ」

 HR終了と同時に、みいちゃんに話しかけられる。

 その裏には、ヒナちゃんもいる。

「わかった。それじゃ、帰るか」

「「うん!」」

 ヒナちゃん、たまに空気になってない?

 またしても、怨嗟の視線が俺に突き刺さっていたが、それから逃げるように教室に出たので、問題はなかった。けど、明日から何言われるかわからないなぁ……。


「で、早速だけど……いつ戻ってきたんだ?」

 学校を出た辺りで、いつ戻っていたのかを聞いてみる。

「ええっと……三日前、かな」

「そう、ですね……それ、までは、ホテルで過ごして、ました」

「そうか……意外と最近なんだな」

 三日前……ね。最近だけど、それなら見かけていても、おかしくなかったんじゃないか?

「ん?なあ、『まで』って言ったけど、じゃあ今はどこに住んでるんだ?」

 三日間、ホテルで泊まってたならわかるけど、じゃあ、今日からどこに住むって話だ。

 普通に考えたら、アパートとかだよな……でもこの辺ないし。あ、でも授業中に、どこかに住んでいる的なことを言っていたから、何らおかしくないかな?

「ええっと……住んでる、というか……」

「これから……といいますか……」

 なんだか、言い渋っている二人。聞いたらまずかったのかな?

「どうしたんだ?」

「あ、気にしないで」

「そ、その内わかりますから」

「ん?そうか……」

 その内、授業中にも言ってたけど、一体どこなんだろうか?

こんにちは、鯨です。なんか、応募用ということもあって、以前こっちで書いていた作品よりも、まともに書こうとした結果、こうなんったんですけど・・・。あれですね。なんか、滑り出しはよかったです。

普通にうれしいですね、これ。

えーっと、ですね。この作品、ここから少し先まで作ってあるんですが、ここにあげられるほど、作られていないので、まだ未制作です。ですので、さきを期待している方は、少々お待ちください。

では、いつになるかはわからない次回で。

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