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ファーストキス?

だるい。


とにかく脱力感がすごい。


何か俺の中から大事な"何か"が一気に無くなった感覚…


たまらず座り込む。

でも、目の前の光景から目が離せない。


『いきなり2体とは驚いたのぉ…』


隣に立つパラケススが口をあんぐり開けている。


『しかし、どちらも新顔じゃ。わしは見たことない。あっちはあるがの。』


そういって右の方を指差す……


そこには、同じく尻餅をつき座り込んでいる茜と、神々しい光を放つ白い龍。


『"白夜"』


茜が呟く………


『あやつこそがお前ら神川家に伝わる精霊。最上位種"神龍"。名を、"白夜びゃくや"そう呼んでおったな。』


"白夜"と言われた白龍は相変わらず立ち上がれない茜を見て、やれやれと思ったのか頭で背中を押し、立たせてやる仕草を見せる。

早くも主従関係と信頼関係も構築しつつあるじゃん(笑)


てか、神龍……………ってめちゃくちゃかっこいいじゃん!

いいなぁ茜……。


改めて俺の精霊を見る。

白虎は尻尾を振りながらこっちにジリジリと近づいてくる。黒龍はじっ……とこっちを見て微動だにしない。


なんか怖い………


バッ!白虎が目の前まで飛び掛かってくる。


あっ…俺死んだ?(笑)


ペロペロ……ザラザラとした舌が俺の頬を這う。


『ちょっ、くすぐったいって。やめて〰〰(笑)』

巨体に跨がれ、身動きがとれずされるがまま(笑)


こいつめちゃくちゃ人懐っこいな。猫なのに。(笑)


『佳祐良かったのぉ。早速仲良くやれておるではないか。神龍まではないが、白虎も黒龍も上位種だぞ。それにいきなり2体も顕現化できる精霊使いはそうはおらん。

しかし、"白夜"は茜についておったか…………。(佳祐についておると思っておったが、取り越し苦労じゃったようじゃな。要注意人物と言うのも何かの間違いじゃろ。)』


『ん?何か言いましたか?』


白虎のペロペロ攻撃をなんとか避けながら尋ねると、パラケススはホッとしたような顔をしていた。


『何でもない。さて、お前の精霊の"真名"はなんじゃ?』


『へ?知りませんよ。』


『おかしいのぉ。聞かなかったのか?』


『?』


質問の意味がわからない。


『おかしいのぉ。どうやら未契約の状態のようじゃな。"真名"を聞かねばのぉ。』


パラケススの説明では、精霊と精霊使いの関係は大きくわけて3つ。


1.本契約

精霊の真名を知り、本契約の義を終え、常に精霊を使役出来る状態。

2.仮契約

精霊の真名を知っている。だが、本契約の義が終わっておらず、精霊を使役出来ない状態。

3.未契約

顕現化は出来るが、真名を知らず、何も出来ない状態。精霊との対話が必要。


今のところ、茜は仮契約。俺は未契約という状態だ。本来、精霊使いになる者は最初に契約の義を行い、自らに眠る精霊を顕現化する。その際、精霊と対話することが出来、そこで真名を聞かせてもらう。という流れがあり、精霊使いのほとんどは仮契約の状態から始まるというのだ。精霊との対話に失敗すれば、顕現化せず何も起きない。はぐれの精霊を見つけ使役しなければならないという。


俺は真名も聞かずにこいつらを顕現化したのだ。


パラケススの説明にはこうもあった。

精霊使いの家系には代々精霊と知識が受け継がれる。"白夜"がそうだ。だから、顕現された際に何も知らなくても名前を知る事が出来るのだ。

それに、精霊使いになりたての者はどんな奴でも契約出来るのは1体が限界。それ以上は使役出来ない可能性があるのだ。つまり俺もどちらかを選ばなければいけない。


こんだけなついているなら、白虎かな……


『とにかく、対話じゃな。ったく真名がわからないまま顕現するなど、前代未聞じゃぞ(笑)頭に手を置き、会話してみよ。』


フッサフサの白虎の頭に手を置く………


─もしもーし。聞こえますかー?─


─(けいちゃん。なーに?)─


けいちゃんって(笑)その呼ばれ方、子供の頃以来だな。ってあれ?そんな呼び方した人いたかな?忘れた……まぁいっか…


─もしよろしければ、お名前を教えて頂いてもよろしいですかー?─


─(前言ったじゃん。それよりもう元に戻ってもいい?この姿疲れる……)─


─初対面だと思うけど………それより戻りたいってどうゆうこと?─


─(あぁ!もう嫌。この姿だとけーちゃんに触れないんだもん。戻るね!)─


キュイーン…………ボンッ!


…………


………


……


タユン……むにゅん……


『ぁん♪…そんなに顔動かさないで…♪』


『ん〰〰〰〰〰』


さっきまでのモフモフがムニュムニュに変わった(笑)てか苦しい。窒息する!


必死に離れようとするも…


『うふふっ♪久しぶりなんだから感触を味わいたいの♪逃がさないんだから…♪』


こっ、こいつ力強ぇえええええ〰


てかどーなってんだ?今の状況!?


『兄さん………最低………』


ドスの聞いた声が背中から聞こえる……


『やっぱり男の人は巨乳がすきなんだ………(泣)』


茜は自分の無い胸を揉む。


そして俺は理解する。


真っ白な肌。とてつもないボリューム。しかもたぶんノーブラ……


おっぱい!きたーーーーーーーー


パフパフきたーーーーーーー


人生初のパフパフに感動………してる場合じゃねぇな(笑)


なんとか"白虎"もとい"女性?"の拘束から逃れる。


その"女性"をまじまじと見ると…

真っ白な雪のような肌。青髪ロングで少しウェーブがかかっていて、左側の前髪だけ三つ編みにしている。真っ白な着物を召されており、目元には涙ぼくろ。おっとりとしたお姉様って感じ。

でも1番に目が行ってしまったのはさっきまで埋もれていたとてつもなく大きな胸(笑)

男って…………茜……ごめんな。


っていうかこの"お姉様?"は誰だ?

さっきまで俺の上に跨がっていたのは、"白虎"のはずだよな…………しかし、その疑問がはっきりする前に、俺は固まる。


チュッ…………


『はいっ。本契約成立♪』


初めてのキスは少し冷たい唇に甘ったるい味だった……

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