グラッドストン教授
僕と先生は、たまたま座標点も決めずに、行き当りばったりの旅をしていたのだった。
そこは、古い造りの煉瓦造りの街だった。
僕は、柳のトランクを両手に下げて、先生から数歩離れて後ろを歩いていた。三歩下がって師の影を踏まず、だ。先生は、話をする時に不便だからと、僕が後ろを歩いていると、ここに来なさいと言うように自分の隣を指差して、僕を無言で見るのがいつもの常である。しかし、その時先生は何か考え事をしていたらしく、ただ黙々と歩いておられるだけだった。
午後の日差しは、結構強く、舗道が煉瓦敷きでなければ、照り返しでさぞ眩しかったことだろう。強烈な太陽に当てられたのかして、街の人の姿は見かけなかった。こんな日には涼しい木陰で、冷たいライム水なんか飲みながら読書をするか、午睡でもするのが一番だ。
そんなことを考えていると、僕はお誂え向きに、青空の下にパラソルを立てた、オゥプンカフェを見つけた。僕は、先生が休憩しようと言ってくれないかと思っていたのだが、先生は相変わらず僕の先を行くばかりである。不意に。
「この町は、初めてですかな」と、声が聞こえた。
パラソルの下のテェブルの一つに、丸眼鏡の、とても品のよさそうな男の人が腰掛けていて、その人が笑っているような瞳で僕達を見つめていたのだ。先生は、夢から覚めたばかりのような顔で足を止めると、その人の顔を不思議そうに眺められた。きっと、まだ先生の頭の中では、座標点の計算式や、空間の収縮と膨張率などがひしめいているのだろう。先生が論文を書いている時などに、僕が先生に話しかけたりすると、先生はやっぱり今のような顔をされる。
「よければ、旅のお話など聞かせていただけませんか。休憩ついでに」
男の人は、明らかに先生より年上だった。短く刈って、それをきちんと撫でつけた茶色の髪には、だいぶ灰色のものが混じっていたし、顔にはくっきりと感じのいい皴が刻まれていた。がっしりした身体で、肉体労働に従事している人のように、よく日に焼けていたが、仕立てのいいスゥツ姿だった。
それが意外に似合って見えるのは、男の人の眼鏡の向こうの柔らかい焦げ茶色の瞳の所為だろう。男の人は、今まで読んでいたらしい文庫本のペェジに、その骨太の指を挟んで栞代わりにして、僕らの出方を待っていた。
先生がようやく、まだ怪訝そうな面持ちで、
「貴方は?」と、聞かれた。
男の人は、これは失礼と言って本をテェブルに伏せると、改まった様子で自己紹介をした。
「ヨシュア大学で、地層学をやっているグラッドストンという者です」
先生は、その名に聞き覚えがあるらしく、少しだけ目を見開いて、驚いたような顔をされた。すぐにそれが、あの包み込むような優しい微笑にとって代わる。
「グラッドストン教授。お噂は、かねがね伺っておりますよ。ある筋から」
先生は、悪戯っぽく最後の言葉を仰った。グラッドストン教授は軽くのけぞって見せて、ある筋ですってと、目をパチクリさせる。先生は焦らしたりせずに、こういう訳ですと、僕らに種明かしをしてくれた。学問の分野では、グラッドストン教授も有名なのかも知れないが、僕は、とんと科学の方面には疎い子供なのだ。
師事している先生の、得意とされる幻影力学ですら、チンプンカンプンもいいところなのだから、これは由々しきことであろう。僕がそれを言うと、幻影力学は、理解するものではなく分かるものなのだと、先生は更に僕には分からないことを仰って、結局その件は有耶無耶になってしまうのだった。ああ、今はそんなことを言っているんじゃなくて。
「ある筋とは、ヨシュア大学で、同じく教鞭をとっておられる、植物学が専門のヘルトリンク教授ですよ。もう随分長くあの方とは手紙のやりとりをしているんですが、なかなかお目にかかる機会がないんですよ」
ふぅん。ヘルトリンク教授なんて名前を、先生の口から聞くのは初めてだったので、僕は何となく面白くなかった。勝手に、一番弟子を思っている僕としては、当然の嫉妬だった。ヘルトリンク教授の名前が出た途端、グラッドストン教授も、何か思い当たったようだ。
「ああ、では君は、いや貴方は、若しや、幻影力学の権威の」
ああ、そうなのだ。僕が師事しているこの先生は、誰もが知るような、素晴らしい研究者なのである。先生は、ご専門の幻影力学の分野だけでなく、地質学から植物学、化学に果ては天文学と、あらゆることに興味を持っていらっしゃる。それだけでなく、音楽や演劇にも食指を動かされるような、多趣味な方なのだ。 先生の興味の幅は驚く程広く、そして、あらゆることに熱心にとり組まれる姿には、大層感銘を与えられる。時々は、身体を壊さないかと、ハラハラさせられることもあるのだが。先生は、グラッドストン教授にそんなふうに言われると、ただただ恐縮した。
「別に、権威などではありませんよ。研究の徒です」
それは謙遜もいいところだと、グラッドストン教授も思ったようだ。
「いや、貴方を権威と呼ばずに、誰を権威と言いましょう。時代の先駆者、寵児です。そうですか。いや。流石は第四次空間が成せる技というか、粋な計らいというか」
グラッドストン教授はそう言いながら立ち上がり、二人は互いに感窮まったように両手を重ね合わせた。
最初の興奮がおさまり、僕と先生はグラッドストン教授に勧められるまま、同じテェブルについた。先生は僕を、助手のラジニ君だと紹介してくれた。グラッドストン教授は僕を見て、いい少年だと先生に向かって頷いて見せた。先生もこの時ばかりは謙遜せずに、ええとてもと言ってくださったので、僕は嬉しいのと恥ずかしいので、耳まで真っ赤になってしまった。
先生が、僕に話してくれたところによると、グラッドストン教授は、長年、フィイルドワァクに従事してきたそうで、沢山の化石を掘り出している、実地研究の大家とも言うべき人のようだ。グラッドストン教授は、大学の教鞭に立つより、ワァクブゥツを履いて大地の上を闊歩する方が余程好きな人なのだ。スゥツと丸眼鏡がよく似合っていながらも、グラッドストン教授から、爽やかで逞しい印象を受けるのは、その所為だったらしい。
店の奥から、ウェイタァが注文をとりにやってきた。グラッドストン教授は、この店の常連なのかして、ウェイタァに気さくな態度をとる。
「この店の自慢の、ブルゥベリィのアイスクリィムなど、君のような少年にはいいんじゃないかな」
グラッドストン教授は、僕に向かってそう言いながら、片目をパチリと瞑って見せた。僕が、知らない人の前で、ソワソワしているので、気分を解してくれようとしたものらしい。
僕はと言えば、男の人がウィンクするのを見るのは初めてだったので、驚いてポカンとした。いっぺんに緊張もどこかへいってしまったようだ。
「ではそれを、もらいましょうか。ラジニ君」
先生にそう念を押された僕は、いつも通り元気よく、待ってましたとばかりにはいと返事を返したのだった。この店自慢の、ブルゥベリィのアイスクリィム! 先生は、メニュウを暫く眺めていたが、チィズとサラミのサンドウィッチとアイス珈琲をウェイタァに注文された。先生がそう仰った途端、グラッドストン教授が、一言。
「慧眼でいらっしゃる」
その途端、ウェイタァが苦笑いを洩らしたが、慌てて顔を引き締めると、少々お待ちくださいと言って、店の奥に引っ込んでいった。
先生と僕とがきょとんとしてグラッドストン教授を見ていると、実は、とグラッドストン教授は、口調は重々しいものの、顔はやんちゃ坊主そのものに目をキラキラさせて話し始めた。
「こちらの、二種類あるサンドウイッチの内の、キュウリとハムのサンドウィッチは、はっきり言って食べられたものじゃないんですよ。問題はね、自家製のキュウリなんです。水が悪いのか土が悪いのか、ここのキュウリは、やけに水っぽくっていけないんです」
そう言って教授は、戯けたように肩をすくめて見せた。そこまでひどいものを客に出す訳はないけど、きっと、そのキュウリはちょっとだけ本当に、水っぽいのだと思う。そのことをからかうのが、グラッドストン教授のお気に入りなのだろう。ウェイタァも、慣れているのか、苦笑していた。グラッドストン教授の言い方からは、ちっとも嫌な気分は受けなかった。
先生は、もし誰かが非道いことを言ったりしたりすると、ただ見ているとこちらが辛くなってしまうような悲しげな目で、その人のことをジッと見つめるのだった。先生は、悪いことをして平気でいる人の良心の代わりに、自分の胸を痛められるのだ。
だから僕は絶対に、先生を悲しませるようなことだけは言うまい、しまいと心に決めているし、先生にそんな悲しげな目をさせる人が、現れて欲しくないと思うのだった。この時先生は、フフッと笑っただけだった。勿論先生には、グラッドストン教授が、どんなに愛情を込めて、その言葉を言ったかが分かっておられるのだ。
「自家製と言うと?」
先生がそう聞くと、教授はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに顔を綻ばせる。
「ここの主人が、家庭菜園に凝っている所為でしてね」
どうしたもんかという口振りだが、グラッドストン教授の目は相変わらず、悪戯っ子のように光っている。きっと、この店の主人とは、仲がいいに違いない。そんなふうに言うグラッドストン教授教授の口調には、愛情がたっぷりこもっていたからだ。
「私も、トマトやアスパラガスや、花を育てているんです」
先生は、ふとどこか遠くを眺めるような目つきになった。教授はそれを聞くと、ええ、知っていますと言って、少し目を伏せながら、
「それについて、貴方がどう言われているのかもね」
と、続けた。グラッドストン教授の、先程までとは打って変わった暗い声音に、僕は冷たい手で背中でも撫でられたように、ヒャッとしたものを覚えたのだった。先生は、グラッドストン教授の返事に、そうですかと、静かに微笑まれただけだった。一瞬、重い沈黙がその場に流れたが、次の瞬間には、グラッドストン教授は持ち前の明るさをとり戻して、茶目っ気たっぷりに身振りを交えて、
「私も、耳にタコができる程言われていますよ。全くとんだ、道楽者だなと」 と、言った。
僕は思わず目を見張るとともに、言葉を失っていた。道楽者と言う言葉に込められているのは、侮辱と嘲りだけだった。先生が、そんな言葉を投げつけられるような人ではないことは、僕がよく知っている。それに。それに。
「そんな、どうして、先生やあなたのような素晴らしい人が、道楽者なのですか」
僕は、詰問するような口調になっていた。本当は、先生やグラッドストン教授を、責めるのは、全くのお門違いだというのは分かっていたけれど、そうせずにはいられなかったのだ。僕が心から尊敬し敬愛する先生や、この新しい年上の愛すべき知り合いに、蔑みの言葉を投げつけた人々が許せないのであった。
先生は、何もかも許すような、そんな温かい目をしながら、それでもどこか悲しげな口振りで、
「新しいことをする人間は、いつの時代であっても、理解されないものなのですよ」 と、仰った。
その後、グラッドストン教授も先生も一様に押し黙ってしまい、僕は僕で、ショックのあまり何も言えなくなってしまったのだった。暫くすると、先程のウェイタァが、僕のアイスクリィムだけを持ってきた。そこで、グラッドストン教授は、新しいアイス珈琲を頼んだ。
教授の声は、もう普段通りの快活なものになっていて、先生の表情も明るかったものだから、僕は早速、銀のスプンを、その愛らしくさえあるアイスクリィムに滑り込ませた。
「それにしても、貴方も思いきった真似をされましたね」
グラッドストン教授は、大人同士の、ごく品のある語り口で会話を切り出した。先生もあくまで控え目な調子で、
「ええ、しかし、まだ完全に、この世界に身を置いている訳ではありませんから」
と、答えておられる。僕には何の話か分からなかったが、学問や、僕のような子供、科学にも疎い!には、分からない類の話なのであろう。僕は、そういう話にわざわざ首を突っ込む程無分別ではなかったし、何よりまず僕の前には、早く食べてくれとせがむかのような、アイスクリィムがあったのだ。
「貴方が完全にこちらの世界に来てしまうと、向こうの世界では大きな損失と言えるでしょう」
僕は、先生と教授の話を、聞くともなしに聞いていたが、僕の目も僕の舌も、アイスクリィムにすっかり集中していた。アイスは、皿に具合よく盛ってあり、ビスケットとジャム、色とりどりのフルゥツはさながら、美しい芸術品のようである。たっぷりのブルゥベリィの粒の入ったアイスクリィムとブルゥベリィのジャムを、添えられたビスケットに載せては、僕はその冷たい甘さに浸っていた。
「しかし、私がこちらの世界に来ることで、新たなる世界が拓けることを考えれば、その時こそ、私の本当の幸いと言えるのです」
僕は、食べる方に気をとられていたが、先生のその言葉に、胸が締めつけられるような痛みを感じてしまった。
『本当の幸い』*引用
先生にとっての本当の幸い。先生は、自分だけが幸せになることを、考えるような人ではなく、他人の幸せを一番に考える方である。いつだって、自分の幸せは二の次どころか、自分は他人の幸せの為に踏みにじられながら、それをこそ自分の幸せなのだと仰ることができる方なのだ。
僕に言わせれば、先生は人のことなど放っておいて、もっと、ご自分が幸せになるべきなのである。先生を理解しないような人々の、幸せなど願う必要などない。先生お一人が幸せになっても、先生という人を考えると、決してバチは当たらない筈だ。僕こそ、先生の幸せを願ってやまない。
僕の手は暫く動きを止めていたが、今度は教授の頼んだアイス珈琲と先生の頼んだ飲み物と、サンドウィッチがウェイタァによって、運ばれてきた。チィズとサラミのサンドウィッチが先生の前に、そして、なぜかキュウリとハムのサンドウィッチが、教授の前に恭々しくも置かれたのである。
教授がきょとんとして、私はサンドウィッチは頼まなかった筈だがと言うと、ウェイタァは澄ました顔で、主人のサァビスだと言った。途端、教授は弾かれたように笑い出した。お二人にも良ければ一つずつ進呈しよう、とグラッドストン教授は言って、僕に笑いかけてくれた。
僕が、味見をしてみたいと思ったことは見抜かれていたらしい。僕も先生も有り難く、ハムとキュウリのサンドウィッチのお相伴をさせて戴くことにした。
「しかし、旅はいいものですよ」
教授がそう言うと、先生もそれに同意した。そして先生は、
「私の旅についてきてくれるのは、このラジニ君ぐらいなものですよ」
と、仰った。突然僕の名前が出てきたので、僕の注意は、先生達の会話の方に向いた。
「私が、三毛猫に名付けたラジニ君の方は、トマトを噛ったり、花を駄目にしたり、知らない内に私の家に潜り込んでいて眠ってしまい、私がセロの練習を始めると、びっくりして部屋の中を駆け回ったりしたのですがね」
先生は言いながら、とてもおかしそうにクスクスと笑っておられる。グラッドストン教授も、ハッハッハッと、朗らかな声を上げた。僕は、その三毛猫とやらが自分と同じ名前だけに、複雑な気分だった。まるで自分が、そんな不作法をしたと言われているかのようだ。僕は、不貞腐れて唇を突き出す。
「僕の名前を、猫に付けるなんてひどいですよ」
先生は、あの穏やかな、僕の大好きな眼差しで僕を見つめられると、
「ああ、違うんだよ。それは、君に会う前の話だ」
と、微笑まれた。
二人はその後、互いの研究分野について、それぞれ意見交換をしただけでなく、僕にも分かるように、面白く興味深い話を色々と聞かせてくださった。二人の共通の知り合いである、ヘルトリンク教授の話も、幾らか話題になっていた。ヘルトリンクという教授も、なかなか面白そうなお爺さんのようだ。
先生が、ヘルトリンク教授に会う機会があれば、その時は是非とも僕もご一緒したいものだ。ヘルトリンク教授は、いつでも菫の砂糖漬けをポケットに忍ばせていて、講義の最中に、おもむろに食べたりするのだそうだ。もしかしたら僕にも一つぐらい、分けてくれるのではないかという期待もあるにはある。
先生と教授は、素晴らしい時間を過ごして満足そうだったし、僕は僕でアイスクリィムの後に、ミントティを頼んでしっかりお茶の時間を堪能したのだった。先生と教授の話は、あちらに飛びこちらに飛び、脱線しているのか、本線なのかも分からない。二人とも、年齢は違えども、まるで長年来の友人同士のようで、目をキラキラとさせて科学について語る姿など、子供が二人いるみたいだった。
教授は今は、西海岸で化石の発掘作業をしているという。ストア紀の地層から、珍しい首長竜が発見され、そこの発掘作業の指揮をとっているのだそうだ。今日は、大学の方に顔を出した帰りに、ここに寄ったのだという。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、別れの時が来てしまった。最後に教授は、
「掘り出したばかりのクルミだよ。私は沢山持っているからね。お近付きの印に一つあげよう」
と言って、僕にクルミの化石をくれたのだった。それは、少し殻の一部が欠けていたものの、ほぼ完全な形を保っていた。大きさは、僕の手の平に包むには少し大きいぐらいだった。それはザッと、今から五千年も前のクルミなのだそうだ。僕は、大切にしますと、心からお礼を言う。
先生は教授と、別れ際にしっかりと握手をされていた。僕がそれをジッと見ているのに気付くと、教授は僕とも握手をしてくれた。教授の手は、ツルハシを握っていて手の皮が厚くなっていた。先生の、白くて細くしっとりした手とは全然違うのに、僕には二人の手が、とても似ているように思えた。
教授は、カフェの前に立って先生と僕を見送ってくれた。
暫く歩いて、振り返った時には、何の変哲もない灰色の道路しか見あたらない。
僕と先生は、また当てもない幻想第四次空間上の旅人になったのだ。もしかしたら、僕らの今立っている道と、グラッドストン教授のいたカフェは、一万光年も離れた、惑星同士程の隔たりがあるのかもしれない。僕が先生と旅をしている世界は、途方もなく広くて不確定なだけでなく、不思議な場所なのだ。
きっと今頃グラッドストン教授も、あのカフェから遠く離れた場所に立っていることだろう。ストア紀の、赤茶けた地層の剥き出しになった大地の上か何かに。僕らは今度は、西海岸まで教授を訪ねて行って、その首長竜の化石を見せてもらうのだ。
それから、あのハムとキュウリのサンドウィッチのことだけれど、ほんの少しだけ確かに水っぽかったことをつけ加えておこう。それでも、よく冷やしたサラダにしたら、さぞかしおいしいんじゃないかと僕は思った。特に、パンに挟むよりは、ずっといいと思う。
今度、グラッドストン教授教授に会ったら、お店の主人に、キュウリとホワイトアスパラのサラダなんかメニュウに加えるのはどうかと、教授の方から持ちかけてみてくれないかと、僕は言うつもりでいる。