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プロローグ
誤字、脱字がたくさんあると思います。発見された方はご報告してくださるとありがたいです。
「兄さん」
昔の夢をみている。
そういえばあれはとても暑い夏の夜だったなぁ。
「兄さん」
僕を呼ぶ声が聞こえる。いつも僕の後ろについてきた弟の声だ。誰が見ても似てないって言うような弟だ。だけど、僕にとても懐いていたんだ。
「僕はなるよ」
あのときの僕はどんな表情をしてたんだっけ。もう忘れちゃったな。弟が何を言おうとしてるかは直感的に、いや、いつかは必ず言うはずだった言葉だからすぐにわかった。
「僕は世界一の魔法使いになるよ」
だからそこが分岐点。
兄と弟の歩む道が完全に分かれた日。
後悔はしてないし、ましてやあの日に戻りたいなんて思ったこともない。
それがたとえ怨まれる結果になったとしても。