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望む結末を

作者: 鍋の地
掲載日:2025/10/15

合格した主人公、

合格できなかったヒロイン。

高校受験。1人死ねば、1人空いて、不合格から合格へ。

2人の望む結末を。

『生徒会長だった少女が高校受験を失敗した』


このことを知ったとき、誰もが「嘘だろ!?」と驚いた。

もちろん、俺も驚いた。

だって、俺は『そこの高校』を合格したから。俺が合格で、あの、何でもできる天才の子がなぜ!? そう思った。

だが、真実はそうなのだ。

『あの子』は滑って、『俺』は受かった。それは変わらない。

なんという素敵なてんかい、『俺の人生という名前の本』にとって、実に素晴らしいてんかい。とは、思ったりするんだけど。

でも、まあ、意外だった。てっきり、2人そこに行くって思っていたから。




「あー、失敗したな。夜に歩くんじゃなかった」

俺はコンビニに用事があっただけなんだが。

頭をかく。

合格し、翌日の夜。


「フー、フーッ」

元生徒会長が、包丁を手にし、俺の前に立っている。

息は荒く、顔も歪んでいる。


不味いな、うん、非常に不味い。

え、合格したのに死ぬじゃん? 『俺の人生という本』は『不合格になった少女に刺されて死にました』で終わり?

死ぬのは、嫌なんだけど。

「ワタシは、頭がいいんです」

天才は言う。

「失敗することなんて、1回もなかった。これからも、失敗はしてはいけない。イケナイんです」

…、荒れてんなあ。

「よかったです。本当は、あなたの家に行って、家族全員を殺してからあなたを殺すつもりでしたが、殺すのはあなただけになりました。手間が省けてよかったでス」

「ワタシは、頭がいいんです。1人死んで、1人空けば、1人合格になります」

狂気の発想。

「アナタを殺し、ワタシが合格します。

フー。

そう! 失敗なんてなかった! ワタシには成功しかない! 失敗なんてアリエナイ!」

そして、俺に走って向かってくる。

「まあ、いいか」

俺は抵抗せず、『少女の望み』を受け入れる。




「な、どうして、なんで!?」

自分が刺したくせに、何回も刺しまくったくせに、なんで驚いてるのやら。

「これが、俺の望む結末だから」

『不合格の少女に刺されて死にました』ていう『俺の人生という本』の結末。

死ぬのは嫌だけど、恋していた人に殺されるのなら、それでもいいよ。

あーあ、もっと本読みたかったなあ。積ん読もあったのに。

「し、死なないで! 死んじゃ嫌だ!」

1回くらいは、会話したかったな。

読んでいただき、ありがとうございました。


少年は本当にそれでよかったのか、どうなのでしょう。

まあ、望んだことですから。

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