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藤桜姉妹 (裏)

side〜藤桜 鈴〜


暗い部屋で無数の画面が思わず目を押さえたくなるほど輝いている

それを見つめる一人の人影


それはある一点だけを何かに取り憑かれたように、食い入るように見ている


初めは、彼に関する周知の情報を片っ端から集めた

次は、一部の人しか知らないような戸籍や住所、経歴等の情報を集めた


しかし「興味」はそれだけでは収まらなかった


彼女は彼を観察し始めた、自分の能力や監視カメラを使い彼の動向をほぼ全てチェックした


「興味」は誰も知らない彼の情報を知りたがった


怒ったら、悲しんだらどんな顔をするのか

どんな価値観を持っているのか


はたまた…、どんな能力を持っているのか

何故隠しているのか


彼のことを知りたいと考えているうちに初めからそうだったのか分からないが、「興味」は恋、もしくは依存へと変化していた


彼女は周りにろくな人間がいなかったせいで心を許せる人がいなかった

その寂しさをあいつらと自分は違う存在なんだ、仕方ないと片付けて耐えてきたのである


その歪んだ価値観にフィットし、対等と呼べる存在ーーそれも異性が現れた

それで彼女が恋、依存してしまうのも仕方がないのだろう


そしてついに彼女はある行動に出た


「お久しぶりです、武さん


自分の能力を使い、彼の位置を把握し偶然を装って彼に会う

 

「あ、お久しぶりです奇遇ですね」

 

「ふふっそうですね、ところで少しお願いがあるのですが…」

 

「お願いですか?」

 

「はい、実は夏休み中の予定をある期間の間空けておいて欲しいのです」

 

「そのぐらいなら大丈夫ですが…何故ですか?」

 

「少し貴方と一緒にお出かけに行きたいなと思いまして」

 

お出かけ、まぁ言葉通りの意味である

しかし彼女は目的がズレている


たしかに好きな人と出かけたいという気持ちもある、だがその恋は「興味」から来たものなので、当然彼のことを知りたいという欲は強く残っている

 

しかし、その恋がある程度「興味」にブレーキをかけている

彼を傷つけるような真似はしたくない、悲しませたくないと

それが無かったら今頃言い表せないような状況になっているだろう


まぁ、彼以外のことではブレーキが効かないのだが


それで出た結論が「お出かけ」である

質問や一緒に行動することにより穏便に彼の情報を得ることができる

多少のハプニングを起こせば間近で彼の貴重な情報を得ることができる


「わ、わかりました!空けておきます」

 

「ありがとうございます、ではこれで」

 

「あ、さようなら」


その場から去った後、彼女は感情を抑えられず笑みをこぼし、口を弧の字に曲げてしまう


「ふふっ、やった…」


歪んだ笑みを浮かべながら彼女はそう言った


side〜藤桜 凛〜


「んっ、うん…?」


暗い闇の中から意識が目覚める


「おや、お目覚めかい?」


目を開けると目の前に不審者がおり、自分の手は縄で縛られている


「っ!お前は…」


「言っとくが暴れないほうがいいぜ、能力を使うと爆発する爆弾をオレの能力で仕掛けておいた、後オレに危害を加えようとするか妙な真似をしようとすれば爆発させる」


すぐに能力を使おうとするが男の言葉によって中断する


「くっ!…」


「それじゃあ大人しく着いてきてもらおうか…ーーお前は何だ」


前を見ると男の目の前に恐らく高校生それも聖内学園のと思われる人物が立っていた

 

「おい!なんとか言えよガキ!」

 

そんな男に対して彼は何も言わないただ無言で見つめ返すだけだ

 

「何か怪しい真似をしたらこいつがどうなるか分かってんだろうなぁ!」


(くっ!情けない…)

 

そうするとーー

 

ガタガタっ ガタガタっ ガタガタガタガタ!

 

急に地面が揺れ始め、建物が軋む

男も驚いた表情をしている

 

対して彼は無表情を変えずそこに佇んでいる


「ガキ!何もするなと言っただろう!」

 

男が焦った声で叫ぶ

 

「くそ!さっさとーーガッ!」


上から落ちてきた花瓶が相手の頭に命中した

そのまま相手は倒れ気絶する


「大丈夫だった君?」

 

「はい、大丈夫です。あ、あの!ありがとうございました!」

 

「いや、僕は何もしてないけど…それで事情を教えてくれるかな?」

 


その後事情を説明し、家へと帰った

どうやら彼は前案内した斎藤武さんという人だった


それまでは焦っていたのと薄暗く顔がよく見えず誰が分からなかった


となると天候を操る能力を持っていると聞いたこともあるし、あの地震も彼の力によるものなのだろうか?


大きな力を持っている人は姉を見てきたせいで全員あんな人なのかと思っていたが、思いのほか優しそうだった


後々お礼をしないといけないな


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