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普通の1日 (表)

少しでも勘違いの供給の足しになればと

処女作の作品で結構色々とアレですが。

 この世界には超能力と呼ばれるものが存在する。

 

 超能力はEからSランクに振り分けられている。Eランクでは些細な現象しか起こせないが、ランクが上がっていくにつれてその能力が持つ力も大きくなっていく。

 

 しかしこの能力とは誰で持っているというわけではない。

 一番下のEランクでさえも10人に一人の確率であり、当然ランクが上がっていくに連れて希少性は高くなっていく。もはやSランクともなれば一国に一人いるか程度の少なさである。

 

 それと同時に希少な能力者は国に重宝されることになる。

 

 斎藤武さいとうたけるーーどう考えてもそこら辺のモブにいそうな名前、それが僕の名前だ。

 恐らく一番最初にゾンビに噛まれるような役にいそうだなと思っている。

 

 特にこれといった特徴があるわけでもなく、ただの高校生。

 黒髪に黒い目、170cmぐらいの身長、どこをとっても普通

 

 ーーのはずなのだが、昔から僕の周りではなぜだか物騒なことがよく起こる。

 

 とはいっても直接的にかかわることは少なく、よく火事だとか銀行強盗などの事件を直接よく見かけることが多いだけだ。

 

 今回も同じように目の前でひったくりが起こっていた。

 

 見た感じ30代ぐらいの男がおばあさんが持っているカバンに手をかけ奪い取り、こちらに向けてかなりの速度で走ってきた。

 

「どけ!そこのガキ!」

 

 相手は手慣れているのか焦ったような様子はなく、こちらを睨んできている。

 

 正直言ってこのよう現場に慣れているとはいえ、ただの高校生である僕に男をどうにかする勇気はない。

 少し動揺しながらもすっと身を端に寄せ、男が通るスペースを作る。

 そして男が通り過ぎて行く……と思ったのだが。

 

バタン!!

 

「がっ!」

 

 男が僕の足元に転がり、苦悶の表情を浮かべる。

 

 転んだのか? そのうえ当たり所が悪かったようで起き上がれずにいる。

 ここまでおぜん立てされてしまえば何もしないわけにはいかない。

 男の手からかばんをとり返す。そしてそれを追いかけてきたおばあさんに渡し、警察がすぐに到着し、男を連れて行く。

 一件落着したようで良かった。

 

「ありがとう、助かったわ」

 

 おばあさんが安堵したような表情でお礼を言ってくるが、あいにくと僕は何もしていない。

 

「いえ、僕は何もしてません」と言うが

 

「謙遜することないのよ」

 

と返されてしまった。

 

 その後はおばあさんと別れ家に帰っていたが、ふと足元に10円玉が落ちていらことに気がついた。

 十円玉を見つけると同時に僕は目にもとまらぬ速さで10円玉を拾った。

 当然だ。いつも少ないお小遣いで工面しているのからこそ10円たりとも見逃すことはできない。思わぬ報酬に笑みを浮かべてしまう。

 だが……頭を下げた瞬間に頭の上を何かが通り過ぎていったような気がしたのだが、気のせいだろうか?

 

 そのあとは何かがあるわけでもなく帰路に就いた、今日も普通な一日だったなあ

 

 まあ、今日はちょっとだけハプニングがあったけど。


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