表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

山ン本怪談百物語

踊る女

作者: 山ン本

こちらは百物語四十三話になります。


山ン本怪談百物語↓


https://ncode.syosetu.com/s8993f/


感想やご意見もお待ちしております!

 友人のS子は、とても霊感の強い子です。


 部屋の中で子どもの幽霊を見たり、学校のトイレで不思議な体験をしたり…


 このお話は、S子がとあるアパートへ引っ越した時に体験した出来事です。






 S子がそのアパートへ引っ越した初日、奇妙な幽霊を見かけたそうです。


 その幽霊は中年の女性で、アパートの裏庭で「奇妙な踊り」を熱心に披露していた。


 「何してんだろ、あれ…」


 女性の踊りは、バレエや社交ダンスのように優雅なものではなく、テレビとかでよく見る「ヘビメタ」のミュージシャンがパフォーマンスで荒れ狂っているような…そんな感じのダンスでした。


 何度も飛び跳ねたり、高速で「ヘドバン」のような動きをしていたり、見ていてとても面白かったそうです。S子はそんな幽霊を気にしながら、しばらくアパートで生活を続けていました。






 アパートの生活が始まってから数週間後、S子は近所の居酒屋さんでお酒を飲んでいました。S子は店の人たちと仲良くなり、近くのアパートに住んでいることを話したそうです。すると…


 「この近くだと〇〇の隣にあるアパート?あそこはやばいよ…」


 話を聞いていた店長さんの顔色が変わった。どういうわけか理由を聞いてみると…


 「あそこは昔殺人事件があったんだ。2階の部屋に若い夫婦が住んでたらしいけど、旦那が浮気しちゃってね。奥さんは当然怒ったらしいけど、逆上した旦那が奥さんに暴行して…生きたまま『火だるま』にしちゃったんだ…」


 あのアパートでそんな恐ろしい事件があったことを、S子はまったく知らなかった。


 「火だるまになった奥さんはアパートの裏庭へ飛び出した後、狂ったように暴れていたらしいよ。とても惨い死に方だった…」


 その話を聞いた途端、S子の頭の中にあの踊る女の幽霊の姿が浮かび上がってきた。


 「そうか、私が見たあの女の幽霊は…踊っているわけじゃなかったんだ…」


 その後、S子はすぐにそのアパートから引っ越したそうです。


 「さすがに私でもあの状況で住み続けるのは無理…」


 S子は少し困ったような顔でそう話していました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 逆ギレで惨殺されてしまうとは、奥さんも浮かばれないですね。 死して尚も火だるまになって苦しむとは、何とも痛ましいです。 [一言] 最終的には引っ越してしまいましたが、S子さんってタフな精神…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ