ユークラシオン帝国の騒乱2
長らくお待たせして申し訳ございません。
連載の再開と告知になります。
一度、今回の話で追放勇者の最新話更新はストップいたしますことをご理解のほどよろしくお願いしたうえで読んでいただけると幸いです
助けを呼ぶ声の方角へ向けて走った先にユキを待っていたのは無数の騎士の恰好をした群衆たちだった。
その群衆たちの様子は明らかにおかしなものだった。
目がうつろで赤黒く変色した素肌から明らかな腐臭が漂って臭う。
明らかに彼らが生存をしていない状態にある存在と一目でわかった。
「ユキさん、やっと追いついたって……これは……」
ユキの後に追いついたカイムも目の前の光景に唖然としながら、生唾を飲み込みただ一言、悔しげにつぶやいた。
「もうこの国の王城の面影すらないじゃないか」
「え」
ユキは驚いて彼を見て、再度前を向いて視界を広げて再度見てみた。
この場所は敷地が広大な建物があったような痕跡が確かにある。
どれもが瓦解していたからこそわからなかったし、目の前にアンデッドのような騎士の群衆がいてしっかりと確認すらできなかった。
彼の一言ですべてにパズルのピースのように組み合わさり答えが出る。
「ここって王城で、じゃああれはこの城の騎士たち?」
「だと思います。でも、この国で一体何があったらあんなアンデッドが生み出されるのか……まるであの国であったような……」
ユキはカイムが言うあの国というのはどの国のことかはすぐに察した。
それは神聖皇国イルシアのことであり、あの時に化け物と変貌した帝国の人たちを指していること。
「これをイルシアの人たちがしたということ?」
「かもしれません」
「あいつら、なんて非道な奴らよ。この国の人たちは何も悪いことなんてしていないじゃない」
「そうですね」
会話をしている間にもアンデットになった騎士の群れが迫っていた。
奥から悲鳴も聞こえる。
「カイムさん、ここ任せていいですか?」
「え、ユキさん! 何言ってるんですか? 俺はあなたを止めるために来たんですよ。任せられても困ります」
「それなら、私についてきてください。あとアンデットの相手は任せました」
「ちょっと、ずいぶんと強引じゃないですか!?」
緊張した面持ちで剣を抜いて、群衆の群れへと突撃するように走っていくユキにカイムは慌てて同伴する。
即座に彼女の道を作るために群衆に向けて魔法を放った。
一気に弾け飛んだ騎士たち。
道が開き、ユキさんはそこを駆け抜けた。
抜けた先にユキは助けを呼んでいただろう一人の少女の存在を確かに視認した。
自分よりも4つくらいしただろうか。
まだかなり幼い。
この炎とアンデッドを相手に崩壊した城の中で根強く頑張って逃げていたのだろう。
身体のあちこちがボロボロで傷だらけだ。
衣服もほぼ半裸に近い。
ユキは一気に剣で少女に襲い掛かろうとしたアンデッドの一人を切り倒して少女の前に立ち彼女を守りに入る。
そこへ次のアンデッドが襲いに来るがそれをカイムが魔法で撃退した。
「大丈夫? お姉ちゃんと勇者のお兄ちゃんが来たからもう安心して」
「ユキさん、無茶苦茶です! もうこんなのやめてください。俺は不死身でもこんな無茶されたら心身ともに疲弊します」
「今すぐ治癒をしてあげるからね」
「まったく聞いていない……」
カイムはユキのマイペースぶりにがっくりと肩を落としながら周囲に気を配り、普段はあまり使用をしない武器を引き抜いた。
「ユキさん、その女の子を連れて一度モア国に戻りましょう」
「そうね」
そういったとき、近くで何かの爆音が聞こえた。
音のした方角を見たとき、それは二人にとっての絶望へと変わる。
「うそだろ……」
それはあの強い要塞を誇っていたモア国が帝国の領内に落下していく光景だった。
いったい何が起こったのか。
黒煙を上げながら墜落していくその光景に唖然としながらカイムは叫んだ。
「ツキナさぁあああんっ!」
二人は行き場をなくすのだった。
皆様、長らくお待たせをいたしまして申し訳ございませんでした。
今回の連載におきまして、最新話の更新は前書きの通りに一度、中止をさせていただきたく思います。
今後におきまして、追放勇者は改めて、全部の話の見直しを検討することといたしました。
改稿の再開時期は来月から始める予定ではございますが現在の作者の体調が不調なため、ゆっくりとしたペースでやらせてもらえればと思います。
月1で構成の見直し、誤字脱字の修正を行います。
これまで長いこと読んでくださった読者様方には本当にこのような中途半端なところで申し訳ございませんが何卒宜しくお願い致します。。
また新しい追放勇者を期待してお待ちいただければ何よりもうれしく思います。よろしくお願いいたします。