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ギルドでの騒動

大変お待たせしました。今回、改稿版としまして話を入れ替えさせていただきました。こちらが41話となり、今週の最新版になりますのでよろしくお願いいたします。

 アーティーという男と異質な一人の女の登場にその場の空気は一変して殺伐とした空気に変わった。

 ギルドにいたメンバーが全員が僕らに対して敵意を向けていたものは一瞬で目の前の彼に向けられる。

 ギルドの面々は躊躇もなく、行動は早い。

 殺意ある目を向けながらも下でに媚びを売る様にその場に膝をつく。


「指示通りに侵入者の足止めご苦労さんっ、アハッ」


 アーティーは堂々とした振る舞いでギルドにいた盗賊崩れのような恰好の面々の人垣の間を通り歩く。

 僕らの前に立つと余裕綽々とした笑みを見せた。


「アーティっ!」


 ユキさんは目の前に村を滅ぼした元凶を前に殺意を向けた。


「ユキさん駄目だっ!」



 自分の村を滅ぼした元凶を前にして彼女の怒りは抑えきれずに爆発した。

 僕の抑止の声など届くはずもない。

 彼女は危険を考えず拳を振り上げる。

 しかし、軽々と彼はかわして逆にその腕をとって後ろ手に回した。


「おいおい、ユキ馬鹿だなぁ君は」


 彼女の後ろ手に回した状態で顔を近づけて頬を舐める仕草をする。

 あまりのその気色の悪い動作にユキさんは嫌悪を抱く。


「お前、ユキさんを離せ!」


 僕はユキさんを助けようと手を掲げる。

 しかし、瞬時に魔法を発動はしない。

 なぜなら、僕の視線には注意すべき存在がいる。


「おや、魔法を打たないの?」

「ぐっ」

「ギャハハっ! いやぁー、さすが勇者だ。状況判断が早い! 撃っていたら確実に君の方が死んでいただろうしね。あ、奴隷勇者は確か死ねないんだったっけ、アハハハッ」


 彼は余裕の態度でこっちを馬鹿にした言動を重ねる。

 この男に僕は腹立たしさを募らせるが動けない。

 彼と共に来たあの謎の女。

 ローブを着込んでケープで顔を覆って素性がつかめないまでも異常な魔力の圧と別種の何かを感じさせる空気に僕の第6感が危険信号を鳴らし続けている。


「おい、どうするのじゃ勇者。この状況は想定外じゃぞ」

「わかっています」


 そっと、近くでツキナさんも警戒をして攻撃をせず僕にだけ判断をゆだねるように確認を取ってくる。

 元より彼女の中ではアターシアのことは考えていないのだろう。

 アターシアさんも意外に行動を起こすことをしない。

 彼女もやはり歴戦の猛者で異様なあの女が気になって下手に刺激をしない方向を考えてると見れた。


「ふーん、つまらないねぇ。もう少しあわただしい戦闘を期待したんだけどどうやら君がいるせいで勇者様たちは警戒をしているようだ」


 アーティはユキさんを解放をすると不用意な行動を起こさず、異様な女の方に言葉をかける。

 彼女はひたすら無言だった。


「だけど」


 彼は言葉をつづけた。


「僕らがユークラシオンの姫様を拉致したって言ったらどうなるかな?」


 その一言はある人物を動かすには十分な刺激となった。

 一瞬にして動いたアターシアさん。

 彼女は腰鞘に納めた剣をすぐさまに抜刀していた。


「あはっ! おい、ギルドの方々仕事だよぉ」


 煽るような一言でギルドにいた男どもがアターシアさんに向かい動いた。


「邪魔だっ! 貴様らぁああ!」


 ギルドの面々も決して抵抗はしたくないという苦渋ににじませた表情をしているがアターシアさんを止めるために攻撃を仕掛けていた。

 彼らの身体には異様な紋様の光が発光していた。

 それこそ、この国で行われている階級制度の呪いの魔法の発動現象。

 彼らは嫌でも今この場所で上位階級者である彼の命令に先導をされて動いている。

 アターシアさんを斬り伏せるために攻撃を仕掛けているのだ。


(でも、確か自由になっているはずじゃなかったか?)


 不穏な彼らの行動に意味深なめいたものを感じつつも決着は早々についた。

 あっけなくも全員がアターシアさんに斬られて倒されていた。


「ギルドは相変わらず使えないねぇ。やっぱり、冒険者や傭兵さんの国への侵入者を足止めするくらいがコイツラの使い道がベストか」


 さすがというべきか。僕らの手を借りずとも一瞬ですべてのギルドのメンツを一人で斬り伏せたアターシアさん。

 20人くらいいたはずだ。

 彼女はついにアーティーの目前に迫り、剣を振り下ろした。

 ――その剣は見えざる壁に阻まれた。


「っ!」


 弾かれたアターシアさんは冷静になったのか間合いを取った。

 殺意ある視線を僕らに向けた。


「おい、奴隷勇者! 貴様ら、なぜ手を貸さない! このような状況許されるとでも思っているのか!」


 さすがにというべきかアターシアさんがキレるように文句を口にした。


「すみませんが僕は状況を見て判断したまでです。僕らまで動けばそこの人たちが行動しかねないですから。それにあなた一人でも実際どうにかなったでしょう」

「ぐっ……」


 冷静的な僕の物言いに反論をすることはなかった。

 しかし、状況は最悪といえば最悪である。

 先ほどの一瞬のアターシアさんの攻撃を止めたアーティも中々の手練れになっている。


(いや、そもそも彼の防御魔法であるといえるのか?)


 あの一瞬の攻撃を彼のような人物にそこまでの技量は考えられない。

 つまりはーー


「おや、奴隷勇者は何かに気づいちゃったのかな?」


 僕は呼吸を一息ついた。

 そっと背後に耳打ちをする。

 ツキナさんとユキさんへ。


「おい、何をこそこそ話している? 奴隷勇者何か算段を考えたなら」


 アターシアさんには何も言わず僕はただ自らの腕を突然に切り落とす。

 血が噴き出して、その場にいた全員が唖然とした。


「は?」


 その一瞬が彼らの命とりだった。

 僕は斬った腕を宙に放り投げてアーティーたちの前へ落下する腕。

 その腕は急に光輝きだした。


「っ!」


 アーティはその発光がどういうものか気づいたが遅い。

 爆発した腕。

 その爆発に巻き込まれ、視界を奪われた彼ら。

 瞬時に僕はツキナさんとユキさんと共に裏口へと駆け込んだ。

 その場に撤退を優先した。

 急いで店先の外へと出た。

 裏から出てそのまま裏道を突き進む。


「よし、これで!」


 そう思った直後、急に煙が自分たちを包み込んだ。


「な、なんだこれ!」


 ツキナさんやユキさんの悲鳴が聞こえた。


「ツキナさんっ!、ユキさんっ!」


 油断した敵の新たな襲撃。

 街中で堂々とした攻撃。

 しかし、周囲は騒がない。

 なぜだかわからない。

 急激になぜか眠気が襲う。


「くそっ」


 そのまま僕の意識は遠のいていった。

次回更新はまだ未定です。早くても来週の土曜日以降を予定しておりますが待たせる可能性があります


申し訳ございませんが気長にお待ちいただけると幸いです。


本作品を読んでくださった方々様、少しでもこのような拙い文章の作品ではございますが面白いと感じてくださったならブックマークよろしくお願いします。

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