神聖国イルシア2
神聖国イルシアの南東地区にある大きな城。
そこには『神聖国イルシア』を管理する貴族たちが集まっていた。
貴族たちは膝をつき一人の王女の前にひれ伏す姿勢をとっている。
「皇女殿下の予想をしていた通りに侵入者があらわれました。各人やることはわかっておりますわね?」
「殿下、承知しております。しかし、他国と本当にするおつもりであるんですか?」
「そうでもしないと我が国は今後の存命をできなくあるのです。これは王女命令です。すぐさまに実行に移しなさい」
「……」
貴族たちは王女の命令に渋った態度をとる。
元より今回の命令は貴族たちが晋遊舎に対して接触を図って暗殺を図るという計画の作戦。
しかし、その計画は大きな戦争に発展することで乗り気になれなかった。
だが、王女はそれをつよく押しておりさらには命令とをする。
貴族たちは逆らえない。
「我が国は重要な供物が必要なのです。即座に彼女たちを捕捉しなさい」
貴族たちは苦痛に顔をゆがめながらも心苦しくその場を離れていくのだった。
あとに城にただ一人残った王女の前に突然として床下から真っ黒な沼地があらわれる。
そこから一人の真っ白な肌に病弱な顔をした美女が姿を現す。
「クヒヒヒッ、ちゃんと命令通りに従ってくれたようだねぇ」
「言われた通りに動かしますわ。それが我が国のためであるのならば」
「いい判断さね。裏切ろうなんて真似決して考えないことだよ。そんなことをすれば他国のように君も消させてもらうだけ」
「わかっておりますわ。トラバルト国やモア国、それにルーゼル国のようにはなりたくもありませんもの」
「クヒヒッ、ならば信じているさ。それじゃあいい報告を期待して私は一度この場を離れるさね。楽しい祭りを見学させてもらうさ」
黒い沼地の中へと沈んで消えていく女を見送りながら、現イルシア国の王女は一息ついた。
このまま自分がやるべきことを頭の中で考える。
「わたしはそのまま素直に従えばいいのですわ。ルーゼル王女の用に歯向かわずにおくことが懸命なのです。ぶつけておけば勝手に奴らは自滅するはずなのです」
そのための計画をずっと考えていた王女はひとりでにほくそ笑む。
「さあ、私も早速動くなのです。アーティー!」
天井の陰から一人の少年が降り立つ。
「いやぁ、マジで皇女も人が悪いねぇ。よもや親分を利用するとかマジパネェ」
「黙ってなさい。あなた命令通りに幼馴染をかき乱してくれたようでさすがなのです。早速ですがもう一つ仕事をしてもらうなのです」
「うえぇ、マジ?」
「早速なのですが、ルーゼル国の王女と彼らを接触させるなのです」
「はあ? 何のメリットがあるのよ」
「それは……」
それを聞いたアーティーは王女のその考えに思わず笑う。
「それはおもしろそうっすね。互いに減ること間違いなしですね」
「それに都合よくあの方々はルーゼル国が消えたと思い込んでるのは好都合なのです。だから、うまく誘導するなのですよ」
「了解、クシシシッ」
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