捕縛された僕
更新が遅くなりまして申し訳ございません。。
今回は気持ち悪い回になります。
「うぅ…」
「おや、ようやくお目覚めのようよねぇん」
どこからか聞こえるオカマ口調に僕は覚醒したように飛び起きた。
飛び起きてみてみると目の前に騎士数人を侍らせた一人の王冠をかぶった派手な王様がいた。
「ラッツハルト・トラバルド」
僕が堂々と呼び捨てにしたのは騎士の怒りに触れ、何人もの騎士がその手に持った長柄の武器の切っ先を向けた。
「いいのよぉん。それにぃ、彼は頑張ったしそれくらい許すわぁん」
その彼の反応に僕は目を瞬く。
自らの身体に施された治療の痕跡を見て衝撃を受けた。
この男は常に他人を見下している。自分に価値のないものに対しては容赦ない扱いは常だ。
毎年のことであの試合の優勝者は怪我をしていても治療を施すなんてこともしない。
ましてや—-
「こんな医療室に連れてきて何のつもりですか? 僕の怪我を手当てするような人じゃないはず」
「あらぁん、悲しいことを言ってくれるわねぇん。ウチはこれでもぉ、あなたにぃ感謝してるのよぉん」
「感謝?」
「そう、あの図体ばかりで裏切ったのにあまつさえまた戻ってきて力仕事や殺戮しか能のない馬鹿を殺してくれてぇ」
「は?」
誰のことを指しているのか一瞬で理解できた。
「ギーヴはお前が雇い戻した男でしょう! それであの試合に……」
「え? アハハハハハ!」
急に大笑いをしだすこの男。
ずっと不気味だと思っていたその狂気を滲みあふれだす。
「雇い戻したぁ? いいえ、あの試合で一人枠が空いたから観客を楽しませる玩具が欲しかっただけよぉん。彼には優勝したら雇い戻すって話をつけていたけどぉそのつもりは最初からなかったけどねぇん」
「お前……」
あの男がどれだけ必死で僕を殺しに来ていたのかわかって言ってる発言であるのか。
狂気的で残忍な発想思考である。
「それにぃ、あの男は十分に役に立ったわぁん。だってぇ、あなたの隠されたあの力を見たいと常々思っていたわけだしぃそれを見せてくれたんだもの」
「っ!」
ギーヴという男の役割がどういったものかを僕は察してこのクズな王を睨みつけた。
「彼は確かにひどい裏切りをした。だけど、お前のような奴に玩具にされるような人ではなかっただろう! 裏切ったとはいえずっとこの国で働いていた仲間だったはずだろう!」
「仲間? あはは。あの男はウチを守る兵士でしかないのよぉん。そもそも、ウチの仲間というのならまだ今はイナイ」
「あ?」
意味深な含みを持たせる言い方をした後にスッと手を上げる。
するとこの寝室の扉が突然と開かれ、騎士に捕縛された一人の女があらわれた。
それは僕とタッグを組んでいたユキ・ラーフである。
「ユキさん! 彼女を離せ!」
「解放してもいいわよぉん。でも、約束をすればねぇん」
「約束?」
「毎年の試合の優勝者に与える特権であなたはウチの直属の近衛騎士になるのを申し上げるのよぉん」
「は? 何を馬鹿なことを言ってるんですか! 僕が従うはず……」
「さもなくば彼女を殺すわよぉん」
彼女の首筋に突き付けられた剣。
首筋の皮が傷つけられ彼女に刃を突き付けるその切っ先から血が伝い落ちる。
「ぐっ! わかりました……」
「ぎひっ! なら、その前準備もしないとねぇん」
ユキを捕縛した騎士たちを部屋から追い出すと、ラットハルトに控えていた騎士が動いて僕の両手足を拘束した。
「な、何をする気だ! 離せっ!」
「ヒヒッ! あなたのことずっとかわいいと思っていたのよぉん」
「やめろ! やめてくれ!」
遠いトラウマの過去が蘇る。
それは何度となく僕を縛り付けて犯したあのイケメン、安藤宗次の顔。
「いやだ! 僕はもうそんなこと……」
目の前のラッツハルトは服を脱ぎ捨てる。
男は舌なめずりをしながらゆっくりとベットに足をかけた。
「やめろぉおおお!」
僕の服はそのまま脱がされ恥辱の拷問を受けるのであった。
次回の更新は今週中にもう一度掲載を挟む予定です。