悪の組織誕生
私はキラキラした瞳をステアに向けて聞いてみた。
「何の研究をされているの?」
ステアは静かに手を休め、こちらを見た。
そして、少しの間のあと、
「未知の乗り物だよ。あとは完成までの秘密だよ。」
と言い、とても嬉しそうに微笑んだ。
ステアに笑顔を向けられ、すごく嬉しくなった私は、つい言ってしまった。
「私も乗れる?完成したら、乗せてほしいな。」
「本当に、そう思ってくれるの?」
笑顔が消え、真剣な眼差しが私に向けられる。
「私、ステアさん好きだから、ステアさんが一生懸命作った物に乗ってみたいの。」
この言葉を放った、幼い日の私の口を塞ぎたい。
この言葉のあと、私はステアのお気に入りに登録されたようだ。
父にフーラー子爵家に連れられると、ステアは父そっちのけで私にいろいろ構ってくるようになった。
そして、帰りには様々な魔改造グッズをプレゼントしてくれた。
ステア父からは、
「ミナマリア君、君のおかげで最近ステアは家族とも口を聞いてくれるようになったよ。ありがとう。」
と感謝されるようになった。
ステアさん、家族と口聞いてなかったのかな?
時が過ぎ、研究の完成のためには王宮秘伝の三種の神器が必要になったため、王宮を探る仮想悪の組織シークレットメイズを始動させることになった。
“仮装”とステアは言っていたが、はっきり言って盗賊じゃん?と加担するのを拒否しようと思ったけど、私に心を開き、私だけには懐いていると思われるステアに完全拒否はできなかった。
ステアは、マスクで変装してDr.Fを名乗り、私は黒ヘルメットに黒ボンテージ黒長ブーツの女スパイマジョリカに変身できる黒口紅を授かり、仲間たち下僕たちと元気に暗躍する事となった。