魔法使いは不遇なんかじゃない!
あなたはこれで大魔女になりました
これによりラストネーム(苗字)を名乗ることを許可します。
わかりました、私はカルナ・マーリン[陽光の大魔女]
と名乗ります。
ピーンポーン!
「宅配便でーす」
「はーい」
宅配のおじさんから結構な大きさのダーンボールを受け取りました。宛先は八城信
どうやら兄さん宛のようですね
「お疲れ様です」
「いえいえ、ではこれで」
ドタドタ、だだだ!
兄さんが来たと思ったら急ぎすぎて階段の途中から
滑り落ちたようですね。
「大丈夫ですか、兄さん」
「ああ、大丈夫だ、問題ない!」
大丈夫なようには見えませんけど、本人が大丈夫だっていうんだったら大丈夫ですね。
「それでこれはなんなんですか?」
ダンボールには大会上位入賞景品と書かれています
まさかと思いつつ聞いてみると
「それはねー、とあるVRMMO専用のヘッドギアだよ」
ベリベリとガムテープをはがしながら喋る兄さん
中から二つの箱が出てきました。
「ほらよ、一つは俺から妹へのプレゼントだ」
「ええ!それゲームの景品でしょ?」
「ほら、お前βの抽選落ちて凹んでただろ?それに俺もお前と一緒にゲームしたかったしな」
「兄さんありがとう!」
私、八城火凪はゲーマーだ
なのに、ずっと楽しみにしていた[Second World]の
β抽選に落ち、さらに追い討ちをかけるように兄さんはβに抽選に当たった。
あの時すごく凹んだのは今でも覚えている。
このゲームは他のVRMMOゲームにはなかった
二つ名システムを導入している。
βテスト中とある行動を何度も行った結果
[〇〇の〇〇]という二つ名が運営によって与えられたらしい、そしてその人の職業の進化先に変化があったらしい、有名なのは風の魔術師という二つ名を得て魔術師という職業から風魔術師という風特化型の進化を果たしたという話だろう。
このように自分だけの二つ名と進化先があり
かなり自由度の高いゲーム有名にならないわけなかった
今までたくさんのVRMMOをやってきたけど
ここまで興味を引くゲームはなかった。
「まあ、それはともかく明日から始まるから妹よ
しっかり設定とかしておけよ」
「わかったよ、兄さん」