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そして少しだけ過去の話

呼び止められて、私は振り返った。

「グランさんね、しばらくの間うちに通うことになったから」

「はい、そうですか」

社長が決めたなら仕方ない。

これが多数決でわたしに参加権があったとしても、2対1で負けるのはCIAの顔を見ればわかった。

とても満足そうだ。

通う、か。

その言葉でわかるのは泊まり込み居続けるわけでないということくらいだ。

何のためにとか何をするかとか、わからないことはいろいろあるのだが。

教えてくれるつもりがあるなら初めから言ってるだろう。

つまり尋ねるのは時間の無駄。

そういえば社長は、氏素性も経歴もはっきりしないどころか質問されたら必死でごまかそうとしたわたしにもそれ以上の詮索をせず雇ってくれたのだ。

この度量の大きさはなんだろう。

「お客様と思えばよいでしょうか?」

「ま、とりあえずそうだね」


思い起こせば、二か月と少し前、ハローワークで必死に検索をしていたわたしは、おかしな社名からの求人を見つけた。


世界征服株式会社。


いや、おかしいとは思いました。


けれども。


その時は本当に切羽詰まっていて、変な名前の会社はイヤだなどという余裕はなかったのだ。

それこそ、ツチノコ捜索隊だとかUFO交信だとか人妻の淫らな午後とか(探したわけでもなかったけど発見はできなかった)そういうのよりはマシなんじゃないかと、マシなはずだと思ったのだ。

具体的に何をするのか?

何を目指しているのか?

その時点では社長しかいなかったのになんで株式会社を名乗っていられたのか?

謎は多かったがそれでも応募して、雇用契約をしたのだ。



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