第四章‐地獄領域にて虚無
「地獄だって?」
「ええ、虚無と絶無の領域って言ったほうが、分かりいい?」
「ほお、なら、俺は唯一の地獄における天国に行く」
「うん、別にいいけど?」
「はあ? お前はなんなんだ?」
「虚無の盟主、ルヘルって言ったでしょ。
停滞のルヘルって言われてるくらい、なにもしないのよ?」
「そうかい、なら好きにさせてもらう」
地獄における天国、人類の最後の楽園とか、諸説言われるそこ。
地獄において、唯一の希望だからこそ、秩序の力は最大限増している。
大聖堂の輝きは、既に人外染みていて、化け物が尻尾巻いて逃げ出すわけだ。
「ここは、一生掛けても、堕ちそうにねーな」
「ですです、此処を落とすなら、盟主が乗り込むくらい、しないと」
「ほお、お前は興味ないのか?」
「ないよ、だってどうでもいいもの。
こんな事に労力を費やすなら、君に好かれることを考える」
「ゼロは、どうしてるんだ?」
「知らない、世界を無に帰するために、今日も暗躍権謀術数してるでしょ」
「はあ、無駄なことを、愚かで醜いだけのゴミが」
奴のゴミのような存在を思い出して、気分が悪くなった。
それにしても、やっぱり虚無と絶無は、暗に明に協力関係にあるようだ。
停滞する為には、世界を大きく二分する、どちらかの勢力、そしてプラスあらゆる勢力に媚を売る必要がある。
その中でも、無差別に破壊を振りまく勢力とは、必然良い感じに付き合う必要がままある。
全ての嫌われモノと、全てに中立に在るモノ、最低限のいい組み合わせだ。
「お前、停滞するために、ゼロを裏切らないか?」
「裏切らないよ」
「どうしてだ?」
「世界が無くなるのも、それはそれで一つの停滞として、ありだから」
「それじゃ、秩序に攻めたりは?」
「べつに、秩序は虚無を内包するでしょ、、、たぶん」
「それじゃ、マジで何もしない傍観者かよ」
「うん、いまは、詰められれば、なにかするけどさ」
奴はふぁーと人間みたいに欠伸した。
「眠い」
「おまえ眠くなったりするのか?」
「そういう風に、カスタマイズしてるの」
「くだらない、ああ下らないな」
「うん、寝るね」
「ここでか?」
「道端で寝て、悪いの?」
「悪かないが、襲われるぞ、おまえ自分の見た目を自覚してるか?」
「襲われたら、オートで撃退する寝相がカスタマイズされてる」
「ゴミくずみたいな存在だが、お前はそんな自分に疑問を感じないか?」
「どうして欲しいの?」
「さっさと、着いて来い、宿屋で寝ろ、見苦しくてかまわん」
「言葉の使い方へんだよ」
「知るか、俺の勝手だ」
とりあえず、一番いい部屋を見繕うか、俺は町を散策しだした。




