準備
「このMPってのはなんなの? あと魔力も。もしかしてなんか使えたりするの??」
「はい。MPとはMagic Pointの略称です。スキルや魔法の使用に必要で、これが少なくなると身体が重くなったり、呼吸がしにくくなります。MPが0になると死にます。魔力に関しましては魔法による攻撃力、防御力に大きく関係してきます。スキルや魔法はこの拠点にて購入できます。」
「どうやって買うの?」
「購入。と発言して頂ければリストを表示します。」
そうか。じゃあ。
「購入」
ステータス画面の上に重なるように武器やスキルのリストが浮かび上がる。
ああ……。むっちゃ邪魔だわ。高ぶった感情を一瞬で落とされたわ。
消えろ!
クリアな視界が舞い戻ってきたのはいいんだが、融通が利かないタイプか……。もう一度購入リストを出すと色々でてきた。
武器
防具
スキル
魔法
消耗アイテム
合成
とりあえず魔法のリストを開く。
火・水・風・土とだけ出てきた。
「なんか思ったよりも少ないな」
「購入できる魔法に関しましては生活に必要な最低限の魔法となっております。攻撃魔法に関しましてはスキルリストを開いてください」
お、なんか箱が喋りなれてきた感じがしてきた。
スキルリストを選択すると、どこまでつづくの? と言いたくなるぐらいの膨大な数が出てきた。なになにー探索スキルにヒールやファイヤーボール……うおっチャームとかまである!これは夢が広がるなあ。
「そういや購入するには何がいるの? お金? 今持ってないんだけど」
「所持品のアイテム欄を開いてください。10000バースが入っていますので、まずはそれを使用してください」
さっきまでの要領で購入リストを閉じ、「アイテム」と声に出してみる。すると10000バースの項目が目に入る。どうでもいいんだけどバースってどっかの国の通貨じゃなかったっけ。まあいいや。それを選ぶと目の前の空間に亀裂が入る。
この穴怖いんですけど。よくあるファンタジーものはよくこんな亀裂に躊躇なく手を入れられるよなー。
恐る恐る中を探るが何もない。んーこういう時どうしてたっけな。あ、そうか。(10000バース)頭で考えながら亀裂に手を入れるとなんかいっぱい硬貨みたいなものに触れている感覚がする。
とりあえず全部出してみた。
銀貨9枚と銅貨10枚が出てきた。どれぐらいの価値があるのか不明だが買えるものを探してみよう。
「魔法ではなにができるの?」
「火の魔法では火をつけることができます。水は1リットルの天然水を出せます。風はそよかぜを吹かせますし、土は30センチ程度の穴を掘れますね。」
なんかちょっと喋り方が砕けてきた感じがあるな……。魔法はどれも微妙だなー。まあ水は必要だろう。購入っと。
画面を押すと頭がホワンと暖かくなった。これで水が出せるんだろうか?
残金は銀貨、銅貨ともに9枚。次にスキルを再確認。色々と見ていくがレベル制限があるみたいだ。
「スキルっていくつまでつけれるんだ?」
「一人スキル3つまでです」
3つかー、とりあえずお金と相談しながら探してみますか。
お、これいいな。こっちと組み合わせたらいい感じじゃね? 冒険といえばやっぱこれかな。
一時間ほど悩んで決めた。
体術Lv1
生物感知Lv1
チャームLv1
まず体術だがこんなスキルがいっぱいあるんだからまず戦うんだろう。それに対して必要なものは何か。体術である。ほかにも剣術とか棒術とかあったんだけどなんか昔から素手で戦うって憧れがあったんだよね。喧嘩なんかしたことないけど多分俺弱いし。
次に生物探知Lv1。これは周りに何かいるの知らずに後ろからやられましたーってのが嫌だからとりあえず。
最後にチャームLv1はなんてゆうかもう……男のロマンっしょ。モテたい。寝る前とかの妄想で使う頻度が非常に高かった。これは妄想能力の鉄板ではなかろうか。
チャームが5000バース、体術、生物探知が合わせて3000バース。残金1900バース。残りは武器か防具か。
とりあえず素手なんでグローブ系に目を通す。あんまり無駄遣いできないし取り合えずなしで。防具はっと……高いからなしで。靴は室内用だったが近所で買った300円のクロックス的な何かがあるし、残りは回復薬だろ。
同じ要領でポーションを9個買う。残金100バース。