準備篇2 コミケの心得
ロザリアさん
「魔法少女の腋をペロペロ♪」
ステファニー
「いきなり変態発言!? 高度過ぎるよ、意味不明だよ!?」
ロザリアさん
「ふふ、まじめな話ばかりもどうかと思いまして♪ だって今回はコミケの歴史と理念が題材でしょう?」
ステファニー
「そうだけど、そこまでガッツリ歴史の説明なんてしないよ! 会場がビッグサイトになる前とか、僕も体験してないしね。そういうのは興味を持った人が、各自Wikiでも読んでくれよ!」
ロザリアさん
「あら、では今回はどんなお話をするんですの?」
ステファニー
「そうだね、コミケに参加するにあたって、最低限知っておくべき理念、心得とでも言おうか。そういうのだね!」
ロザリアさん
「コミケの初開催は1975年、約40年前にもなるのですよね?」
ステファニー
「そう、作者も産まれてないよ! この時期にアニメ、漫画文化が一般に広がり、アマチュアの表現の場が求められるようになったらしいよ」
ロザリアさん
「今と違ってネットも無い時代ですものね。作品を発表する人にとっても、読みたい人にとっても、貴重な場だったのでしょうね」
ステファニー
「そうだね。まぁ、さすがに産まれる前の話は実感が湧かないから多くは語らないけど、元々、皆の『表現したいッ!』っていう熱い情熱が産んだ場だっていうのは、知っておくべきだと思うんだ」
ロザリアさん
「そしてコミケは年々規模を拡大。96年冬から、日本最大のイベント会場、東京ビッグサイトに会場を移したわけですね?」
ステファニー
「ビッグサイトでの初回は、他のイベントと併催だったけど、コミケの来場者が多すぎて苦情が殺到したらしくてね! 次から貸し切りとなって今に至るわけさ。さて、コミケがここまで大きくなったのは、なぜだと思う?」
ロザリアさん
「ふふ、分かってますわ。やっぱり皆、エロスが大好きということですよね♪」
ステファニー
「違うよ!? コミケはエロ本祭りじゃないって、前回説明したろ!? 台無しだよ!! それに参加者は男性ばかりじゃないからね。婦女子(もちろん腐女子含む)の方々も何万人といるんだから!」
ロザリアさん
「エロにBL……。人類の業の深さを感じますわね」
ステファニー
「百合を忘れてるよ!? 僕ら百合作品のキャラなのに! 僕にとってはむしろコミケ=百合! プリ〇ュアやまど〇ギの百合ん百合んな同人誌を買うのが主目的だよ!!」
ロザリアさん
「とにかく色んな性癖に対応してるのですね♪」
ステファニー
「性癖いうな! 多種多様なジャンルが集まってると言ってくれよ! ……で、ここが大事なところだよ!」
ロザリアさん
「ああ、何となく分かりましたわ。そんな様々なジャンルを『受け入れて』来たから、コミケは大きくなったのですね?」
ステファニー
「その通り! コミケは、その歴史の始まりから何者も拒まない……批判者すら排斥しないという理念の基に、全てを飲み込んで巨大化してきたんだ。自分の『好き』を同人誌を通じて全身全霊で表現する! ジャンルだの需要だの超えて、その想いが集積したのがコミケさ!」
ロザリアさん
「それを思うと、広い心で、全てを受け入れる大きな器で参加したいですね」
ステファニー
「そう、それが言いたかったのさ! そしてもう一つ重要な心得、コミケに『お客』は存在しないというのも認識しておこう!!」
ロザリアさん
「これは知ってますわ。同人誌を売る側はサークル参加者、買う側も一般参加者、共にコミケを盛り上げる『参加者』なんだ、という発想ですよね?」
ステファニー
「コミケに限らず、同人誌即売会は大抵この考えだね。言わば皆が主催者、主体性を持って、創作の場を盛り上げる主人公なんだ。であるからには、正しくマナーを守って、責任感を持って参加する義務が有るわけだ。つまり徹夜ダメ絶対! コミケは、わがまま言わず、周囲への気遣いが出来る、オトナの為の社交場さ!」
ロザリアさん
「そう聞くと、何だか堅苦しいイメージになってきますけど……」
ステファニー
「最低限の一般常識を持ってれば大丈夫さ! はっきり言って堅苦しさからは宇宙一遠い世界だからね! さて、今回はこの辺でまとめておこうか!」
ロザリアさん
「コミケは自由な創作表現の場。広い心で臨みましょう♪」
ステファニー
「コミケの熱こそは、人類の歴史を牽引してきたパトスそのものだと僕は信じてるよ。『小説家になろう』の書き手の人達も、創作者の一人として、この熱に触れるのはすごく、すごく意味有ることだと思うよ!!」
ロザリアさん
「……まぁ、私達は何だかんだ言っても、百合同人誌を買いにいくだけなのですけどね♪」
ステファニー
「台無しだ!? オチは要らないよ!?」
ロザリアさん
「大事ですよ、オチは♪ 真面目な話はここまでですもの。次回からは、具体的な役立つ話をしていきますわ♪」
ステファニー
「まずは、『カタログは買っておこうね!』って話だね!」
二人
「それでは、また次回♪」