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彼女のココロ


話が終わると、先生は目の前の生徒たちを見ました。


生徒たちは、きょとんとした顔をしていました。


「ちょっと難しいお話だったかもね。みんなは、これからいろんな勉強をして、大きなまぁるいカラダになっていきましょうねー」


「はぁーーーい」


みんな、大きな声で答えました。


どの姿も透き通っていて、透明のガラスでできているようでした。


もちろん服なんて着ていません。


大きなまぁるい形をしたココロの先生と、小さなたくさんのまぁるいココロの生徒たちが、とても暖かそうに、きらきらと輝いていました。



彼女はその話が終わっても窓のそばを動きだそうとしませんでした。


そのとき、背後から最初に聞いた声がしました。


ここがどこかわかったかな?



うん、ここ未来なんだよね。


遠い遠い未来。

きみには関係ないくらい先のことだけど。


ここでは光はなくなったけど、みんな頑張って自分の光を作り出したんだ。


きみのとこには、まだ街にもたくさん光が溢れていて…


気がついていないと思うけど、きみの中にもたくさんの光を持っているんだよ。


ただ、今は輝きたくても輝けないまま、そっと眠っている。


彼女は今度は声にださず、ただ頷きました。


あんなとこでひとりでいたら光ることもきっとできないよ。


みんなと一緒になってはじめて、いろんな光を出せるんだから。


何も言葉が出ませんでした。


自分がひとりぼっちだとわかっている今の彼女には何も言えませんでした。 


代わりに、彼女の目から涙が流れてきました。


彼女の流した涙がつたって、床に落ちたときその部分から光が差しました。


光は前面に広がりました。


彼女はまぶしくて目を閉じました。



次に目を開けると、そこはいつもの公園でした。


彼女は夢をみたのかと思いました。


でも、その空には初めに見た光の群れがありました。


いくつもの光が動きはじめて、形を作り始めました。


雲が形を変えていくように、光は移動を始めて顔の輪郭を作りました。


鼻を作り、

口を作りました。

最後に目を作りました。

青い空にキラキラと輝きながら笑っている人の顔でした。


あ、あれはきっと神様の顔なんだ。


彼女もそれを見て同じように微笑みました。


彼女は思いました。


自分に何ができるかわからないけど彼らが教えてくれたことを、絵にしてみようと。


誰かに伝えようと。


急いで、家に戻って机に座り彼女は絵を描き始めたのでした。


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