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集中治療室
『集中治療室』
優しさに戸惑い笑顔に脅えて、
やっと掴んだはずなのに、その手の中には何も見えなくて…
砕けた音は何時までも耳に残り、
それでも月は静かに輝いて、
何時までも僕を照らし出す…
君が見えなくて何度も叫んで、
それでもまだ掴めなくて、月光を頼りにずっと君を探したんだ…
風が吹き砕けた音が消える…
不意に誰かが悲しそうな声で僕を呼んだ気がした、
それは力強く暖かな声…
辺りは暗くそれでも必死に光を求めた、
そして見つけた…
ありがとう…
これで帰れる…
もう見失わないよ…
君のもとへ…