表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/27

第1話 モノクロの世界

 二夜連続で投稿できました。

 では、二話をどうぞ。

 暗い暗い闇より暗い黒の中に小さな一粒の光の玉が()った。

 

 その玉は何をするでもなくただただ広く深い黒の中でくるくると泳いでいるだけ。

 

 そう、何かを守るように黒の中心で(はかな)い光の軌跡(きせき)を残しながら円を描くように泳いでいるだけ。

 

 

 

 

 

 どれ程の時間が経っただろうか……。

 

 陽の光も無ければ、月の明かりも無いこの黒の世界で時間という概念があるのかはいささか不明ではあるが、それでもまだ光は漂う。

 

 まるで何かを待っているかのようにただくるくるとソコを漂う。

 

 

 

 

 

 更に時は流れた……。

 

 一秒か一分か、一日か一年か、時間の概念が存在しないであろう黒の世界で、光は未だ(まわ)っている。

 

 それは何かを探しているようで、表情など存在しないはずの光がどこか焦っているようにも見える。

 

 

 

 

 

 また時は経ち、とうとう光が明滅(めいめつ)を始めた。

 

 前よりも廻る速度は落ち、少しではあるが低い位置を漂っているようにも見える。

 

 何をどう見ても消える寸前であり、その光は弱くなっていた。

 

 しかしそれでも光は泳ぎ、漂い、廻る。

 

 

 

 

 

 それでも黒の世界は変わらずに在った。

 

 光の明滅する間隔も短くなり、もういつ消えてもおかしくない状態になった頃、光が止まった。

 

 消えたわけではない、今まで動き続けていた光の玉が止まったのだ。

 

 そして光は今まで描いていた円の中心に吸い込まれるように飛び込んだ。

 

 次の瞬間、黒の世界を消し去るほどの光が中心から溢れ、黒の世界は白の世界へと姿を変えた。

 

 その白の世界の中心には光の玉は無く、代わりに一人の青年が倒れていた。

 

 年の頃は二十代前半くらいであろうか、あまり長くは見えない黒髪を額を覆う程度まで伸ばし、後ろ髪は首にかかっているくらいだ。気絶しているのか寝ているのか、目は閉じているため見えないが、鼻立ちはスッと通っており整った顔と言っていいだろう。服装は白いカッターシャツにグレーのネクタイを合わせ、黒のスーツを着ている。

 

 そんなただのサラリーマンにしか見えない彼は、何故このような世界に来たのか……。

 

 それはまだ誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ココは……何処だ?

 

 目を覚ました俺が最初に見たのは、何も無い白の世界だった。

 

 そこで俺が理解できたのは前後左右、そして上下、全てが白いこの世界でただ俺だけが存在しているということだけだった。

 

 俺はこんな所で何をしているんだ。いや、そもそもココは何処だ?

 

 ……考えていても分からないか。

 

 こういう場合は自分の行動を(さかのぼ)ってみると何か解る可能性が高いと前テレビで見たような気がする。

 

 

 

 

 

 昨日の朝俺は、普通に会社に出社して通常通り業務をこなして定時で帰ろうとしたら上司に飲みに誘われてその帰りに何かが……。

 

「ぐっ!?があぁぁぁ!?」

 

 原因を思い出しそうになったその時、頭に未だかつて感じたことの無い痛みが襲ってきた。

 

 病気のときとは比較にならない……感覚的なモノではなく、どこか物理的な痛みだ。まるで頭蓋(ずがい)に穴を開けて頭の中を直接ミキサーか何かでかき混ぜられているようなそんな痛み。

 

 俺は死ぬのか……?

 

 いや、この痛みが消えるのなら死んだほうがましかもしれない。

 

 願わくば、これが夢であることを祈ろう。

 

 次に目を開いたら、頭痛も治り布団の中にいることを望みながら、俺の意識はそこで切れた。


 今回は、主人公がどっかに飛ばされてまたどっかに飛ばされる感じの話でした。

 能力は次辺りで出せればと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ