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第16話 お礼の品はイイ物を

 一週間以内に更新できたので上出来ではなかろうか?

 夏のボーナスが入ったら新しくノーパを買う予定なんで更新速度が上がるかも?

 座ってちまちまやってると足が痺れてあがががががってなるんでやる気が下がるんですよね。

 俺の足の事は放っておいて続きをどうぞ。

 現在、昼前位の時間帯だが、俺の前には二人の人がいる。言わずもがなサーナさんとビリスさんであるが、ビリスさんが不機嫌そうに煙草を(くゆ)らせているのが引っかかる。一応俺怪我人なんだけどな。


「おはようございます」


「おはようさん。で?俺とサーナに用があるらしいが何だ?」


「おはようございます。サーナさんに、起きてる状態でははじめましてですねビリスさん」


 二人に挨拶を返し、ビリスさんがさっさとしろっていう目で見ているので早めに用件を話すことにする。その前に二人がいる理由だが昨日、潮風亭に帰った俺達は夕飯を食べた後、ダンさんに頼んで二人を部屋に呼んでくれるようにお願いしたのだ。


「サーナさんには一応話しましたが、命を救っていただいたお礼として、微力ながら医療道具や実験器具をお渡ししたいと思いまして。あっ、もちろん治療費は別で払いますよ?」


 そう言うと、ビリスさんが少し雰囲気を変え、睨む様にこちらを見て言った。


「小僧、俺はこんなんだが医者という仕事に誇りを持ってる。サーナも同じだ。それを分かって言っているんだろうな?貴族のガキの道楽に付き合う為にやってるんじゃねえぞ?」


「当然です。ビリスさんの腕が良い事もサーナさんが患者に親身に接することも身をもって知ってます。俺はただ純粋に二人の手助けとお礼がしたいだけですから。そもそも俺は貴族じゃないですし。とりあえず見るだけ見てくださいよ。必要無いと思えば破棄するだけですので」


 俺はそう言ってシーツに包んであった物を机の上に割らないように置いていく。一つ置くたびに二人の顔色が驚きを含んだ物に変わっていくのが少し面白い。


「俺の知識ではこの程度を用意するのが精一杯でしたがどうでしょう?もし見掛けない物があれば説明しますが」


「あの、これはどういった物ですか?ガラスの棒に何やらぶにぶにした物がくっ付いていますが?」


 もしかして、というかやっぱりゴムは無かったか。別にだからどうしたってわけじゃないし話しても問題は無いか。


「それは駒込ピペットという道具ですね。少量ずつ液体を混ぜたりするときに使用する物です。少し実演してみましょうか」


 俺はビーカーの一つに水筒から水を入れ、それをピペットで吸い取り隣のビーカーに移した。


「こんな感じで上のゴムと言いますがその部分を潰して液体を吸い取ります。後は必要な分を一滴ずつから混ぜるモノに落とせます」


「す、凄い」


 サーナさんは俺の前からビーカーを持っていって別のピペットで試しては感嘆の声を上げてくれている。


「小僧、このナイフ変わった形をしているが何だ?」


 ビリスさんはビリスさんでメスを見ながら聞いてきた。逆の手に小さなナイフを持っているのを見ると、自前のメス代わりに使っている物と見比べているんだろう。


「それはメスと言う医療用の小型ナイフです。形が違うのは身体のあらゆる部分を切る医者の方々の為に部分部分で使いやすい物を使うようにです。切れ味は保証しますし、とても錆びにくい金属で出来ているので術後にしっかり手入れを行えば十分長持ちすると思いますよ?」


「そ、そうか、礼を言う。ありがとう」


「喜んでいただければ幸いです。それで治療費ですが」


 幾らくらいになりますか?と聞こうとするとビリスさんに止められた。


「待て、先程も治療費とか言ってたがそれはまけてやる。嬢ちゃんに言ったがカーニスを退治してくれた礼だ。それよりもいいのか?これ高かったんじゃねえか?錆びにくい金属に透明度の高いガラス製品なんかよ」


「ええ、全然構いません。命に比べれば安い物ですし、お二人にはこれからも沢山の人を救っていただきたいですからね」


「そうか、もう一度礼を言わせてくれ。ありがとう」


「わ、私からも言わせてください。ありがとうございました」


 やはり人から礼を言われるのは嬉しいことだが少しくすぐったいな。


「それで当分は足りると思いますが、もし足らなくなったら手紙をください。俺達はおそらくですがイブネスで居を構えることになりますから。とりあえず住む場所が決まればこちらから一度手紙を送ります」


 俺がそういったところで今日は解散、帰り際二人からもう一度ずつお礼を言われたのでどういたしましてと返しておいた。


 さて、今からどうしようか。と思ったがまだ旅に出る用意をほとんどしていないことに気付き、大急ぎであの空き地に行って鉄のインゴットと水晶で出来た置物を作って売りに走ったのはまた別の話。


 とりあえずそれなりの金にはなったので、また明日色々買いに走るとしよう。


 一先ず予定を組んだ俺は、少し早いが夕飯までと目を閉じて昼寝の体勢に入った。

 今回はお礼の品を渡すだけの回でした。

 次かその次でまた二人は旅に出ます。

 イブネスに付くのは何時になるのか……。

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