表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

第15話 服飾って難しい

 どうも円男です。

 今回も説明が多く、つまらないかもしれませんがご了承下さい。

「それじゃ次はレン、お前さんの防具でも創ろうかね」


「創ってくれるのはありがたいんだけど身体は大丈夫なのかい?その、錬金だっけ?の負担とかは……」


 さて防具創りをしようかと言うと、レンから俺の身体を心配するようなことを言ってきた。確かに先程のガラスを創った時は少しヤバいかとも思ったが、これから創る予定の物には記憶の奥底から引っ張り出さないといけないような物を使用する予定は無いのでおそらく何の問題も無いと踏んでいる。


「大丈夫だ。それに駄目そうだとレンが判断したら止めても文句は言わない」


「……なら良いよ。でも駄目だと思ったら力尽くでも止めるからね」


「分かったよ」と言って、防具の構想に入る。構想といっても素材なんかは決まっているので後はどのような形にするかだけだ。いや、本人がいるし自分で決めてもらおうか。そう思いレンに問う。決して女性に着せる防具が思い付かなかった訳ではない。


「レン、鎧はどういうタイプの物が良い?」


「ん~、別に攻撃から身を護れれば何でも良いんだけど。欲を言うなら体の動きを阻害しなくてなるべく丈夫な物が良い」


 それは防具全般の目指す先だと思うがまあいい。動きを阻害しないタイプの物なら胴体部分の無い上半身を覆う物が良いだろう。


「……うん、大体出来た。その辺で待っててくれ、すぐに創っちまうから」


 すぐに創ると言っても手を抜くつもり等全く無いが。


 まずは内に着るインナータイプの物を作成する。原材料は言わずもがな、ダンさんには悪いがまたシーツである。そのシーツを全てケブラーで出来た布に変える。ケブラーは防刃ベストや、ヨットの帆、自動車や飛行機にも使用されている非常に丈夫な素材で耐熱性にも優れている。


 次は成形であるが、ゴワゴワとした物にならないように出来るだけ薄くした物を三枚重ねて強度を増す。薄くした事によって貫通に対する耐性は多少落ちると思うが、通常の斬撃等に対する防御力は非常に優れた物になるはずである。更にそれを普通のインナーの様にして完成だ。普通のインナーと違うのは長い短い関係無くタートルネックの様に首が隠れる創りということだ。傍目からはただの服にしか見えないだろうが下手なレザーアーマー等より斬撃に対する防御力は上だろう。因みに半袖と長袖をそれぞれ三枚ずつ創ってある。


 次は篭手(こて)の作成だ。剣を扱うレンは、腕に傷を負うと戦いが不利に追い込まれるだろう。剣腕族の彼女は腕に直接武器が生えているので同様に扱うのは難しいが。とりあえずケブラーで元の形を作り、上腕の部分を覆う様に丸く鋼鉄製の板を付ける。甲の部分にも指の動きを制限しないような大きさの板を取り付けて完成だ。


 今度は上半身を護るプレートアーマーの作成に入る。少し重いが鋼鉄を防具の形に錬成し、その裏側に先程創ったゴムをくっ付ける様に錬成する。この防具は打撃に対する衝撃を弱めるための物だからだ。極力身体の動きを阻害しないようにしたので心許なく感じるが先日の武器屋を見る限り問題は無いはずである。


 最後は下半身の防具だが、五枚重ねのケブラーで少し厚めのニーハイソックスの様にした。もし必要であるなら腰周りも創るがとりあえずはこれで完成だ。


「レン、出来たぞ」


 そう言うと、新しい防具が嬉しいのか顔を綻ばせながら作品の元に来た。しかし見るや否や顔を(しか)め、苦い顔をしてこちらを見やる。


「……ナナシ、これが防具かい?あたしにはただの服にしか見えないんだけど。この鎧は分かるけどさ」


「甘い、甘いぞレン。見た目だけで判断するのは愚者のする事だ」


 プレートアーマーを持ち上げコンコンと叩いているレンにそう言って、俺は地面に手を付けて硬い土の人形を作成して一枚のインナーを着せる。


「レン、これ斬ってみろ。人形は俺が前隠れてたのと同じくらいだから」


「こんなモンが防具になるとは思えないけどね。斬っても文句言わないでおくれよ?」


「当然」


「ふぅ―――――はぁっ!」


 レンは一つ息を吐き、先程の木を斬ったのと同じくらいの速さ(多分)で人形に斬りかかった。






「―――――なっ!?」


 驚愕の声を上げるレンの目の先、振り下ろされた剣の先は人形の肩に10cm近く食い込んではいるが斬れてはいない。おそらくレンの膂力(りょりょく)が凄まじかったせいなんだろうが恐ろしい。


 レンが剣を引いたのを見て、人形に歩み寄り食い込んだ部分を外に出す。すると一枚目二枚目は破れていたが三枚目は少しほつれている程度だ。


「どうだ?」


「……悔しいけど凄いね」


「それでもこれは衝撃には意味を為さないからな。そのためのプレートアーマーだ。とりあえずサイズは大丈夫だと思うけど不具合があったら言えよ?すぐに直すから」


「あいよ。それにしても凄いね」


「まぁな。それじゃ帰るか。んで明日はサーナさん達に渡しに行こう」


「そうだね。これも宿に帰ったら着てみるよ」


 こうして一通り終えた俺達は潮風亭に戻ることにした。


 レンにはああ言ったけど不安要素はある。モンスターの強さだ。俺の知っている物でどれだけ対抗できるかは正直分からないが、レンの強さも大概だし何とか成る事を祈ろう。


 この先の旅に一抹の不安を覚えたが、腹が減ったし考えるのをとりあえずやめた。

 こんな感じになりました。

 ケブラーこんなに丈夫じゃねぇよとか思われるかもしれませんがご容赦下さい。

 次はお礼の品物渡して旅に出る前日くらいまで進めたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ