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第7話 喪失――手放す準備 第8話 肯定――選ぶ側になる 最終話 後書きのように

伯爵は、距離を取った。

聞かれる回数が減り、確認も簡潔になる。


それが“手放す準備”だと、私は分かった。

合理的で、正しい。


夜、私は言った。


「……今まで、ありがとうございました」


伯爵は黙っていた。

そして、低く答える。


「礼は不要だ」


それでも、その沈黙は、少しだけ長かった。



第8話 肯定――選ぶ側になる


配置の前日、私は伯爵の執務室を訪れた。


「私、決めました」


声は震えなかった。


「ここに、残りたいです。

選ばれる側じゃなく、選ぶ側として」


伯爵は、長く沈黙した。


「……それは、楽ではない」

「分かっています」


彼は立ち上がり、扉を開ける。


「なら、契約を更新する」

「今度は――対等な条件で」


私は、初めて笑った。



最終話 後書きのように


選ぶことは、自由より重い。

でも、誰かに聞いてもらえるなら、

その重さは、抱えられる。


物語はここで終わる。

けれど、確認の声は、明日も続く。


――どうしたい?


そう問われる世界は、

思っていたより、ずっと優しい。

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― 新着の感想 ―
物語は「選ばれる存在」から「選ぶ存在」へ成長する主人公の心理を丁寧に描いています。自由の重みと、誰かに認めてもらう安心感の対比が胸に残る、静かで温かい結末です。
確認の回数が減り、距離が生まれる描写が巧み。 優しさが後退したのではなく、自立を尊重するための距離だと分かる構成が見事。 別れの準備を「静かに進む日常」で描いている点が印象的。 「ここに残りたいです」…
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