表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

第5話 選ばない自由―拒まなかった理由 第6話 期限の通知、一年の終わりが見える

町への外出許可が出た日、伯爵は聞いた。


「同行は必要か」

「……いえ。一人で歩いてみたいです」


少しだけ、勇気を出した。

伯爵は頷く。


「日没までに戻れ」

「はい」


自由ではない。

でも、選ばせてもらえた。


市場で買ったのは、安いパンと小さな布。

何かを“自分で選んだ”実感が、胸に残る。


屋敷に戻ると、伯爵が玄関にいた。


「……おかえり」


その一言が、今日の選択を肯定してくれた。



第6話 期限の通知――一年の終わりが見える


書類は、いつも突然やってくる。


「配置先が、内定した」


伯爵の声は変わらない。

けれど、空気が重くなる。


「適正です。問題ありません」

「……そうですか」


私は、泣かなかった。

泣くほど、取り乱していなかった。


「君は、どうしたい」


初めて、進路について聞かれた。

私は答えに詰まる。


――選ぶ、とは。

こんなにも、重いのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公が少しずつ「選ぶ経験」を積み、自分の意思を意識する過程が丁寧に描かれています。自由の制限と承認の温かさ、そして選択の重みが静かに胸に響く回です。
市場での買い物、外出の許可など、小さな「自分で選ぶ」経験の積み重ねが胸に残る。 一方で「配置先が内定した」という事実が突きつけられ、 選ぶことの重さが初めて具体的な痛みを伴って現れる。 泣かない主人公…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ